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1杯目のビールに負けないために

記事作成日2026/06/08

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先日、TOMAのお客様限定の経営者交流会「小桜会」を開催しました。食事が大変美味しく、少人数ということもあって共通の話題でお酒も進み、とても楽しい時間でした。

私は、参加者との会話や場の雰囲気はもちろん、お酒そのものも好きなので、その日もビールから飲み始めました。普段、お酒を飲む機会は多いのですが、飲む度にいつも感じるのは、やっぱり1杯目のビールが一番旨い!ということです。

限界効用逓減の法則

この1杯目のビールが一番旨い!という感覚、私だけでなく全てのお酒好きに共通する、「あるある」ではないでしょうか。

しかしどんなにビールが好きでも、2杯、3杯とグラスを重ねるにつれ、新たに飲む1杯から得られる満足度は減っていき、最初の1杯を超えることは無いものです。これは「財の消費量が増えるにつれて、財の追加消費分から得られる効用(満足度)は次第に小さくなる」という限界効用逓減の法則で説明することができます。

下記のグラフを見てください。横軸が飲んだビールの数で、縦軸が満足度を表していますが、1杯目の時が最も満足度の上がり幅が大きく、5杯目から6杯目となると上がり幅はかなり小さくなっています。ビールを飲むことで得られる累積満足度は、このように直線ではなく曲線を描いて高まっていくのであり、同じ1杯のビールでも得られる満足度は大きく異なるのです。

このことは、グラスを重ねるにつれ、一定の満足度を得るために消費しなければいけないビールの数は増えていくということでもあります。もし、5杯飲んだところで最初の1杯と同等の満足を得ようと思ったら、相当の数のビールを飲まなければいけないということですが、それは現実的ではないでしょう。

このように、同じ消費を繰り返しながら満足度を上げ続けていくということは、実は大変なことなのです。このことは、財に対する満足度だけでなく、私たちの味覚、触覚、聴覚といったあらゆる感覚にも当てはまると言われています。最初は敏感に感じていたことでも、いつの間にか感じなくなったり、鈍くなったり、慣れていくという経験は誰にでもあると思いますが、これは、世の中の普遍の法則なのです。

お客様の感情に目を向ける

もし私たちがビールを提供する居酒屋であれば、お客様の満足度を低下させないためにどのような工夫ができるでしょうか。

実は限界効用逓減の法則は、1財モデルといい、同一の財が消費されることを前提としています。しかし実際の居酒屋では、ビール以外にもサワーやハイボールなど、沢山の種類のお酒があることから、お客様は飽きることなく色んなお酒を楽しむことができます。

新商品や新サービスを開発しなければいけない理由がここにあります。私たちはお客様に最初の1杯と同じような新しい価値を提供する努力をし続けないと、いつしかお客様に飽きられてしまうのです。

新しい価値は、お客様の感情に目を向けることでも生み出すことができます。お客様が「どう感じるか」を考えることで、喜んでもらうこと以外にも、不満を減らすことが価値を生むことに気づくのではないでしょうか。

「何度も同じことを言わなければならない」「わざわざ行かなければならない」といったお客様にとっての手間を減らす努力をすることは、結果としてお客様にこれまでとは異なる新しい価値を提供することになるでしょう。限界効用逓減の法則は、同じことを繰り返すことでお客様の満足を高めていくことがいかに難しいことであるかを教えてくれます。

この限界効用逓減の法則に打ち勝つ唯一の方法は、お客様の感情に目を向けて、新しい価値を作り続けるということなのです。小桜会が、お客様にとって新しい価値を感じてもらえるものになると嬉しいです。

私たちTOMAは、専門家として品質向上に努めるだけでなく、課題解決のための様々なサービスを提供し、お客様にとって面倒な手間を取り除き、更には、小桜会のような経営者交流の機会を提供することでお客様のお役に立ち続けたいと思っています。


TOMAコンサルタンツグループ株式会社
代表取締役社長
市原 和洋
代表メッセージはこちら

<チェックポイント>

同じ商品・サービスの提供だけでは満足度の上昇が逓減し、飽きられてしまう
お客様の感情に目を向け、新しい価値を作り続ける
不満を減らすことも、これまでとは異なる価値提供になる