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株主総会議事録・取締役会議事録の必要性と記載事項

記事作成日2017/05/12 最終更新日2023/04/18

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株主総会議事録・取締役会議事録の必要性

会社が株主総会や取締役会を開催した場合は、その議事録を作成し、保存しておく必要があります。では、なぜ議事録が必要なのでしょうか。

 1)法律で作成・保存の義務が規定されている

会社法では、株主総会及び取締役会の議事録の作成・保存が義務づけられています(会社法318条、369条)。議事録に、記載すべき事項が記載されていなかったり、作成した議事録が本店に10年間保管されていない場合、取締役等は100万円以下の過料に処せられることがあります(会社法976条)。

2)議事録が税務調査等で証拠になることがある

万が一、裁判で訴えられた場合や、税務調査の際は、争点になっていることについて株主総会や取締役会で実際に審議・決議されたかどうかが問題になることがあります。議事録はその証拠となりうる重要な書類です。例えば、税務調査の際、役員報酬等の増額を決めた株主総会議事録等がないことで、その損金算入が認められない可能性があります。

3)多額の融資の際に必要

会社が多額の借入を行う場合は、取締役会の決議が必要です。したがって、企業が多額の融資を申し込む際、金融機関側は議事録で取締役会の承認を経たことを確認します。

4)登記の際には議事録の添付が必要

商業登記をする際は、議事録を添付しなければなりません。

株主総会議事録・取締役会議事録の記載事項

 株主総会議事録・取締役会議事録には以下の事項を記載します。

①開催日時と場所
②株主総会議事録の場合・・・発行済み株式数とその議決権数、出席株主数とその議決件数
②議事の経過の要領とその結果
③株主総会、取締役会で出た意見または発言の内容
④出席した取締役等の氏名
⑤議長の氏名
⑥議事録作成に携わった取締役の氏名
⑦取締役会議事録の場合・・・出席した取締役及び監査役全員の氏名の記名・押印
⑧決議に参加できない者がいる場合はその旨

など

単に記録するだけでなく、審議の実態を記載して作成する必要があります。

コーポレートガバナンスの観点から

大企業、中小企業に関わらず、株主や取締役がそれぞれの権利や意見を主張することで、スムーズな経営ができなくなることがあります。会社としては、法令で定められていることを守り、足場を固めることが必要です。

議事録の作成・保存はすぐにできることのひとつです。まずは、できることからスタートし、経営基盤を強化してみてはいかがでしょうか。

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