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気になる企業の財務分析~RIZAP 株式会社

記事作成日2015/09/10 最終更新日2022/05/23

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 RIZAP と親会社の健康コーポレーション

今回は、“ 結果にコミットする” で人気爆騰中のRIZAP 株式会社(以下、ライザップ)とその子会社である健康コ-ポレーション株式会社に注目してみます。

まず高級プライベートジムを展開するライザップですが、今やテレビCM、電車内広告、雑誌広告と目にしない日はありません。あれだけの露出に相当する宣伝広告費を賄っているだけことはあり、高収益モデルを実現しています。下図は2015 年3 月期の決算説明資料の抜粋ですが、いかがでしょう。一般的なスポーツクラブの限界利益率が22~38%であるのに対して、ライザップは72%という数字になっています。

RIZAP事業の収益性

RIZAP事業の収益性

この収益構造を可能にしている要因のひとつは、2ヶ月間で約30 万円という会員料金です。この価格が受け入れられている理由を、健康コーポレーションの瀬戸健社長は次のような言葉で語っています。「既存の大手ジムは、場所貸しをするだけで、痩せるというゴールに到達できなかった」。

つまり、痩せない程度に運動してもらい、細く長くお金を落としてもらうというのが一般的なフィットネスジムのモデルだったわけです。

ライザップの収益性を支えているもうひとつの要因が、そのコスト優位性です。プライベートジムであるため駅前一等地である必要がありません。広さは、40~50 平方メートルのマンションの一室さえあれば十分であり、マンツーマンの筋トレが基本となるため、プールも最新式の設備も必要ありません。

トレーニング室に設置されているのは、ベンチプレスやバランスボールのような基本的な器具ばかりです。設備の維持・メンテナンスにかかるコストも低減させることができるというわけです。

積極的なM&A 活用。美容健康関連が好調

面白いのは、子会社である健康コーポレーションのポートフォリオです。もともとは、健康食品の通販事業からスタートし、M&A を積極的に活用しながら、美容健康関連、アパレル関連・住関連ライフスタイル、エンターテイメントと事業領域を拡大させています。流行り廃りの激しい健康食品事業を乗り切ってきた社長らしく、次の収益源の下準備に入っているということでしょう。

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