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周年イベントを行う目的は? 事例も併せて紹介

記事作成日2020/11/25 最終更新日2021/10/05

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1周年、5周年、10周年と企業の節目に企画・実施される周年イベント。企画をした経営者や、企画を任された担当者の多くが「一体何をすればいいのか」「誰のためのイベントなのか」「なぜ周年イベントを行わなければならないのか」このような壁に当たるのではないでしょうか? その理由は、そもそも周年イベントとは、何を目的として行うのかが明確になっていないからだと思います。

今回は、周年イベントの意味、目的、そして実際に行われた事例も紹介していきます。

そもそも周年イベントとは何か?企画案を出すヒントは

周年イベントとは、企業の将来を確固たるものにするための事業戦略の一つです。企業がこれまで歩んできた歴史を振り返り、企業が大切にしてきた想いを再確認する場です。そして、従業員の仕事に対するモチベーションを高め、これからの会社の未来を共に創る意識を固める結束の場でもあります。

また、周年イベントにおいて会社の姿が魅力的に映れば、それは顧客をはじめとするステークホルダーに対しても信頼感や安心感を訴求できるでしょう。

周年イベントはただ単に社員や取引先と楽しい思い出を作れば良いというものではありません。周年イベントが持つ意味を理解できていなかったり、忘れてしまったりしていると、「何をやればいいのだろう…」ということに終始して効果的なイベントにならないのです。企業がこれまで大切にしてきたもの、これから目指すものに目を向けることは、何をすればいいのかのヒントになるはずです。

例えば、経営理念が「お客様第一」であれば、顧客満足度を上げるためのイベントを計画する。中期計画が「5年後までに全国展開」であれば、実際に展開予定の土地に旅行に行く、あるいは地方の伝統や習慣を学ぶ時間を作る。

普段のビジネスライクな環境が行きすぎて、「社員の気持ちがバラバラ、お互いが何を考えているのかわからない」なら、社員みんなで一致団結するイベントを計画する。飲食店であれば、従業員一人ひとりが自由な発想で新規メニューを考えてみる。

このように経営理念に紐付いた企画を考えたり、中期計画や企業が抱えている課題を企画内容のヒントにするのも良いでしょう。

周年イベントを行う3つの目的

「目的=ゴール」を明確にしておくことは、イベントを成功に導く鍵といっても過言ではありません。では、周年イベントを行う目的とは何でしょうか? 特に大切なポイントを3つ、お伝えしたいと思います。

その1.経営者の想いを伝える

周年イベントは全社員が一堂に会する貴重な場です。経営に対する想い、従業員への感謝を改めて伝える場として最適といえるでしょう。ある程度の企業規模になれば、経営者と従業員の距離は遠くなるため、経営者が現場の従業員一人ひとりとじっくり話をする機会はあまりないはずです。

会社にとって社長の存在は大きかったとしても、社長一人で経営は成り立ちません。
パナソニックの創業者松下幸之助氏が残した「企業は人なり」という言葉はあまりにも有名ですが、人生の貴重な時間を会社のために尽くしてくれる従業員がいてこそ、会社は会社の形を成し得ています。

普段は言葉にできない、しようと思っても伝える機会がない感謝の想いや、これからの企業の方針、目指す将来像を直接伝える場として周年イベントを活用してはいかがでしょうか。

また、歴史を振り返る際には「経営理念」を再確認し、全社員へのより一層の浸透を図りたいところ。
ビジョン(目標)やミッション(使命)、バリュー(価値観)を全社員が共通認識とすることは、企業が大きく成長するエンジンとなります。

「1年に一度、5年に一度話をしたところで従業員はすぐに忘れてしまうのでは?」と思う経営者の方には「クレド」がおすすめです。
もし、クレドをまだ自社に取り入れていない場合は、周年イベントをきっかけとして全社員にクレドカードを配布するのも良いでしょう。

■「クレド」に関して詳しく知りたい方は<コチラ>

その2.社員の親交やモチベーションアップにつなげる

従業員が同じ場所に集まるというメリットは他にもあります。同じオフィス内にいても部署が違うと、会話をすることはあまりありません。また、近年はセクハラやパワハラ、モラハラなどさまざまなハラスメントに敏感になり、ビジネスライクに振る舞うのが常識。

同じ部署の同僚や上司であっても、仕事以外の話題で盛り上がることは少ないのではないでしょうか。活発なコミュニケーションは企業の発展のためには必須です。

企画する側が

「社内のコミュニケーションの少なさに課題に感じている」
「いつもオフィスに流れているギスギスした空気をなんとかしたい」

このように感じているなら、社員同士のコミュニケーションに重きを置いた周年イベントを企画すると良いでしょう。

実際に、周年イベントのような社内イベントを行うことで

「職場でのコミュニケーションが多くなった」
「他の部門との摩擦が少なくなった」
「上司との会話が増えた」
「活気ある職場になった」

という変化が見られることは多くあります。

社内の雰囲気が良くなると、仕事に対する気持ちが前向きになります。周年イベントは社員同士の絆を深め、モチベーションを向上させる効果も期待できるのです。

その3.社外へのブランディング訴求

企業を永続して発展させることは簡単ではありません。10周年、20周年、100周年と周年イベントを行えるということは、自社が社会の荒波を乗り越え、生き残ってきた証でもあります。

企業が経営を続けられる背景には、社員の頑張りはもちろん、顧客や株主といったさまざまなステークホルダーの協力があってこそ。
周年イベントは、社外のステークホルダーに対して自社をアピールする一面も持っています。

●経営者の強く、熱い想い
●将来への明確なビジョン
●結束し、モチベーションを上げる社員の姿

これらはすべて、ステークホルダーにとって魅力的に映るのではないでしょうか?社外に対して「自社のあるべき姿、目指す姿」を発表するということは、「実現させる」という覚悟も必要です。改めて社内の意識を高める絶好の機会となるでしょう。

前述したように、何十年と企業が続くことはそれだけで社会的に意義があります。その企業力を効果的にアピールできれば新たな顧客創出にも繋がるはずです。

周年イベントを行う目的をご理解いただけましたか。紹介した3つのポイント全てを網羅するのも良いですが、難しければどこか1つのポイントに絞りイベントを企画するのも良いでしょう。

経営理念の浸透、社員の結束に重点を置くのであれば、パーティ会場で盛大に祝うよりも、研修合宿などを開く方が効率的です。社外へのブランディングを強化したいのであれば、取引先も参加できるイベントを企画したり、自社のSNSやブログなどでイベントの内容や参加した取引先のコメントなどを発信、アピールしていくことも重要です。

周年イベントを企画する際には、その一番の目的・テーマは何か、どんなイベント内容にすればそれを達成することができるのかといった点から考えると良いでしょう。

もちろん、参加する側が楽しめることも大切なポイントです。

会社の歴史をまとめたVTR視聴(50分)
社長の言葉(30分)
役員の言葉(各5分)
質疑応答(10分)

このように、あまり形式張った企画にしてしまうと、面白みに欠けます。この点は企画側が注意し工夫する必要でしょう。

周年イベント事例を紹介します

さまざまな企業が周年イベントを企画していますが、参考にTOMAコンサルタンツグループの周年イベントの一部を事例として紹介したいと思います。

TOMAコンサルタンツグループの経営理念は、「『明るく・楽しく・元気に・前向き』なTOMAコンサルタンツグループは 本物の一流専門家集団として、社員・家族とお客様と共に成長・発展し、共に幸せになり、共に地球に貢献します」。
「社員が幸せになり、幸せな社員がお客様を幸せにする」という経営者の考え方のもと、社内イベントも工夫しています。

1982年12月に設立、2017年に35周年を迎えたTOMAコンサルタンツグループは、創業者から現社長の市原和洋に事業承継。周年イベントも兼ねてハワイ旅行を敢行しました。

ハワイのオアフの風上海岸にあるクアロア・ランチで「TOMA35」の形に列を成し、ドローンを使用して上空から写真撮影を行いました。普段同じ仕事をすることのない各部門の全社員が、同じ行動をすることで団結力を高めることができます。記録として残るところも写真撮影の良いところです。

グループごとに観光ツアーへ参加したり、マリンスポーツやショッピング、ドライブを楽しみ、夜はマイタイを飲みながら、ウクレレやフラダンスを鑑賞。現地の開放的な雰囲気に身を任せ、最後には全員でダンスをしました。普段接点の少ない社員とも交流でき、連帯感が強まりました。

「今回の周年イベントは良かったね」
「また行きたいね」と思える社員旅行になったと思います。

周年イベントとして「クレド」の作成を

これから周年イベントを控えている企業のヒントとなれば幸いです。TOMAでは、周年という節目だからこそ、イベントのひとつとしてクレドカードの作成・配布をオススメしています。なぜならクレドには効率的な人材育成、良好な車内風土の醸成などメリットがたくさんあるからです。

TOMAでは、クレド作成に関する相談を随時受け付けています。
自社のビジョン(目標)やミッション(使命)、バリュー(価値観)を明確にすることで、さまざまな課題の解決が期待できます。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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