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医療法人設立の4つのステップ、軌道に乗ったクリニックが検討すべき「法人化の段取り」とは?

記事作成日2026/08/04

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クリニックの経営が軌道に乗り、利益が安定してくると「そろそろ医療法人化を進めたい」と考える院長先生も多いのではないでしょうか。

医療法人化は、高い所得税を抑える「節税対策」として圧倒的な効果があるだけでなく、将来、お子様などの「後継者」へクリニックをスムーズにバトンタッチするための強力な基盤にもなります。

しかし、医療法人の設立は株式会社のように「書類を出せば数日でできる」というものではありません。行政の厳しい審査があるため、事前のスケジュール管理が不可欠です。本記事では、医療法人化を決意してから手続き完了にいたるまでの具体的な流れと注意点を分かりやすく解説します。

医療法人設立の全体スケジュール(期間の目安)

結論からお伝えすると、医療法人化を決意してから実際に「法人」として診療を開始するまでには、「約6ヶ月〜1年」の期間がかかります。

参考までに、過年度の具体的なスケジュールについては、以下の記事をご覧ください。

なぜこれほど時間がかかるかというと、多くの都道府県において、認可申請を受け付けるチャンスが「年に1〜2回」しか設けられていないからです。

このタイミングを逃すと、設立が半年から1年遅れてしまうため、逆算したスケジュール管理が何よりも重要になります。手続きは、大きく以下の4つのステップで進みます。

医療法人設立の4つのステップ

【ステップ1】事前準備と機関設計(申請の1〜2ヶ月前)

まずは法人の骨組み(ルール)を決め、必要書類を準備する期間です。

・基本事項の決定:法人名(名称)、役員構成、基金の額などを決めます。

【承継を見据えたポイント】将来の事業承継をスムーズにするため、この段階から後継者であるお子様などを「理事」として役員に迎える設計をしておくのがおすすめです。

・定款・設立趣意書の作成:法人の目的やルールを定めた「定款(ていかん)」や、なぜ法人化するのかを説明する「設立趣意書」を作成します。

・設立総会の開催:発起人が集まり、設立の意思決定を行った議事録を残します。

【ステップ2】都道府県への認可申請と審査(約3〜5ヶ月)

ここが医療法人設立の手続きで最も時間がかかるフェーズです。

・仮申請(事前協議・予備審査):多くの自治体では、本申請の前に書類の下書きを提出する「仮申請」が義務付けられています。

仮申請で提出した申請内容を変更することは認められず、この時点で本申請と同じクオリティの具体的な内容を記載する必要があります。書類の提出は、書面による郵送やwebなどの方法で行います。

提出後は、都道府県の担当者のチェックにより、何度も修正して再提出(またはメールや郵送でのやり取り)を繰り返すのが一般的で、多くの医師が「想像以上に大変だった」と感じるところになります。

・本申請(書類提出):膨大な書類(資産の証明、予算書、過去の診療実績など)を都道府県の窓口へ提出します。

・医療審議会での審査:都道府県の「医療審議会」に諮られ、問題がなければ「認可書」が交付されます。

【ステップ3】医療法人の設立登記(認可後、2週間以内)

都道府県から認可が下りたら、速やかに法務局で登記手続きを行います。

・設立登記申請:認可書が届いた日から2週間以内に、クリニックの所在地を管轄する法務局で登記を行います。

・法人設立:この「登記が完了した日」が、医療法人の正式な設立日となります。

【ステップ4】保健所への手続き・各種移行(登記後、1〜2ヶ月)

法人として診療をスタートするための最終手続きです。

・個人事業の廃止と法人の開設申請:保健所に対して、個人のクリニックを「廃止」し、医療法人としてのクリニックを「開設」する手続きを行います。

※承継を見据えたポイント:一度法人化してしまえば、将来の院長交代(承継)の際は、法人の「理事長変更手続き」を行うだけで済みます。

個人事業の時のように、クリニックを一度廃止・再開設して診療がストップするリスクをゼロにできます。

・保険医療機関の指定申請(最重要):地方厚生局へ保険医療機関としての指定申請を行います。

タイミングを合わせないと、数日間保険診療ができない期間が発生してしまうリスクがあるため、専門家と綿密に連携して進めます。

・その他:税務署への法人設立届、年金事務所への社会保険加入手続きなどを行います。

医療法人化によるデメリット

以上、医療法人化に関する具体的な流れと注意点を解説してきましたが、医療法人化を検討する際は、デメリットについてもしっかり把握しておく必要があります。

【デメリット:財産は国等に帰属】

現在の法律では、新しく設立する医療法人はすべて「持分なし医療法人」となります。

どれだけクリニックを繁盛させて法人に内部留保(利益の蓄え)を残しても、将来、医療法人を解散する際、その財産は国や地方公共団体などに帰属します。

医療法人の財産は個人には戻せないため、出資したお金や利益の出口戦略をあらかじめ綿密に立てておく必要があります。

まとめ:逆算した段取りが成功のカギ

医療法人設立は、「節税効果」を生み出し、将来の「事業承継」の不安を解消する素晴らしい選択肢です。ただし、これまで見てきた通り、行政手続きのハードルが高く、タイトなスケジュールをミスなくこなす段取り力が求められます。

「地域で次の申請時期は?」「後継者に向けた最適な役員構成は?」といった疑問をお持ちの院長先生は、まずは一度、医療法人化に強い専門家へご相談いただき、スケジュールやシミュレーションを確認してみてはいかがでしょうか。

TOMAには医療経営の専門家が在籍しています。お悩みのことがあれば、以下の無料相談・お問い合わせよりご連絡ください。