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医療法人の分割制度

記事作成日2016/08/25 最終更新日2016/08/25

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医療法人の「分割」制度が平成28年9月1日より施行されます。

従来、医療法人の権利義務を他の医療法人に承継する方法としては、全部を承継する
「合併」と一部を承継する「事業譲渡」の方法がありました。しかし、「事業譲渡」では

1、承継の対象となる病院の廃止届出と同時に、新規の開設許可が必要となる他、
債権者の個別の承認が必要であるなど手続きが煩雑
2、譲渡の対価は時価となることから承継元の医療法人に多額の納税が発生するケースがある

等のデメリットがありました。
このような状況下で、医療法人についても分割の制度が新設されました。
これを有効活用することにより病院等の譲渡や組織再編がより柔軟、活発に行える可能性があります。

ただし、その対象は「持分なし医療法人」(社会医療法人、特定医療法人を除く)となっており、
現在の医療法人のほとんどを占める「持分あり医療法人」については対象外となっていることに注意が必要です。

組織再編成として複数の法人が関わる分割につきましては、一定の要件を満たせば「適格分割」となります。
「適格分割」となった場合には、承継元の医療法人については分割して移転する資産の対価が
帳簿価額となり、移転資産に含み益がある場合には「課税の繰延べ」が可能となります。
また、承継先の医療法人については、承継対象資産に係る不動産取得税が非課税になるなどのメリットがあります。
要件につきましては、株式会社の適格分割要件のほとんどが、医療法人の分割へ適用可能となっていますが、一部「取得株式継続保有に関する要件」のように当該要件を不要とする税制改正要望が提出されているものもあります。
詳細につきましてはお問合せください。

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