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M&Aにおける秘密保持

記事作成日2017/03/10 最終更新日2017/03/10

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M&Aにおける秘密保持の重要性

 M&Aにおいて秘密情報の保持は最も基本的で重要な事項の一つです。例えば、「社長がM&Aで会社売却を考えているらしい」といううわさが会社の従業員・役員に広がってしまった場合、会社はどのようになるでしょうか。
 経営幹部や従業員によっては、買い手が買収後に大規模なリストラをするのではないかなどと不安を感じて退職する人がでてくるかもしれません。会社にとってキーマンとなる人材が退職すると会社価値に大きな影響を及ぼします。うわさが取引先、同業者、または銀行などに広がって、取引に重要な影響を及ぼす可能性もあります。
 M&Aを検討しているという秘密情報の流出は、会社の経営資源が流出する、既存の取引に悪影響を及ぼすなど、会社価値に甚大な影響を与える可能性があります。従って、M&Aにおいて秘密保持に対する徹底した体制が求められます。

秘密情報の取り決め

 M&Aにおける情報を知る全てのメンバーに対して、秘密情報に関する取り扱いや重要性に対して共通認識を持つことが大切です。例えば、以下のように取り決めます。

(1)電話
会社電話でのやり取りは可能な限り避け、携帯電話を利用する。

(2)FAX
FAXの送付は原則として避ける。

(3)メール
添付ファイルをメールで配信する場合は、パスワードでロックする。
対象会社の名称にコードネームをつけて呼び、メールの内容に会社名を記載するのを避ける。

(4)打ち合わせ
自社ではなく外部専門家や買い手の会議室などで行う。

 このように、徹底した情報の取り扱いのルールを決めることが求められます。M&Aは長丁場になることもあり、関係者が多い場合は秘密保持を徹底することに労力がかかりますが、売り手及び買い手は秘密保持が最重要事項の一つと認識する必要があります。

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