【はじめに】
2015年6月に中小企業庁が発表した「中小企業の海外事業再編事例集」について、その記載内容を引用しながら、シンガポールに駐在している筆者から見た感想やブログ読者への提案を記載します。
【引用と筆者の感想や提案】
「細字で記載」が引用箇所、太字が筆者の感想や提案です。
【規制については日本より厳しい場合もある】
6ページ 1.2.1 海外への進出前の留意点 環境規制の強化に備えよう
「先進国だけでなく新興国でも、年々、環境問題への危機意識の高まりにより、環境・省エネ規制の整備、運用を強化する方向にある。場合によっては、突然、規制が変更したり、極めて厳しい取り締まりが行われることもあり、進出時には予定もしなかった追加設備投資が必要となることもある。」
→日本からの視点では、進出先のエリアは後進国だから規制も甘いだろうと思っている方が多いのですが、その考えは危険です。皆様がおこなっている事業に関係する規制は必ずチェックをしてください。筆者が所属する会計業界でも、決算書の監査義務・決算書の開示義務・会社法の規制については日本より先を行く国があり、特に監査義務・決算書の開示義務は日本のほうがむしろ後進国に該当すると感じています。
【防ぐことが出来ないリスクがあるのは日本でも海外でも同様】
6ページ 1.2.1 海外への進出前の留意点 国家紛争が発生することも
「海外では、日本では想定できない事態が発生する可能性がある。特に、宗教対立、民族問題を背景とする紛争が生じた場合、従業員の生命の安全が危ぶまれるなど、深刻な事態に陥る可能性も低くない。できるかぎり、進出国の最新の政治、経済等の情報を入手し、「このような事態が生じたら、このような対応をする」というリスク対応策を予め策定しておくことが望ましい。また、貿易保険の活用も検討すべきである。」
→私見ですが、国家紛争や行政の方針の変更、法律の変更や宗教対立から生じる事象は防ぎようにありません。また、ここには記載されていませんが為替相場の変動も同じかもしれません。ビジネスをする以上は日本国内でも海外でも防ぎようがないこともあります。
また、撤退についても最初からネガティブに考える必要はありません。海外進出に関する予算額をあらかじめ決めて、予算額を超える出費になりそうなら撤退でいいのではないでしょうか。この考えは日本国内でビジネスをする場合と同じだと思います。
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