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コロナや法改正で複雑化する人事・労務管理とアウトソーシングのメリット・デメリットを解説!

記事作成日2021/02/24 最終更新日2021/02/24

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新型コロナウイルス感染症の流行により、テレワークや時差出勤などが推奨され、労働環境は一変しました。また、働き方改革をはじめとする時間外労働時間の上限規制や年5日の有給休暇取得の義務化、同一労働同一賃金の問題などもあり、労務管理・人事管理が複雑化しています。

この複雑化した労務管理・人事管理を行なうための手法として、人事・労務管理をアウトソーシングするという選択肢が有効になります。また、アウトソーシングは人手不足が叫ばれるなか、貴重な人材を本業に専念させるうえでも大変有効な手段です。

そこで今回は、複雑化する労務管理や人事管理、そしてアウトソーシングの効果について詳しく解説していきます。

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労務管理とは

そもそも労務管理とは、大まかな意味では、会社の資産である社員に気持ちよく働いてもらうために、労働条件や環境を管理・整備する仕事を指します。

社員が働くうえで、労務管理が適切に行なわれることはとても重要です。労務管理が軽視されてしまうと、「社員がモチベーションを維持できない」「時間外労働が慢性化する」などの問題につながるおそれさえあります。

社員のモチベーションアップを促し、生産性を向上させるためにも、正しい労務管理を徹底しましょう。ここでは、労務管理の具体的な業務内容や、労務管理における課題について見ていきます。

労務管理の業務内容

労務管理の業務内容は多岐にわたり、代表的な業務内容には以下のものがあります。

・就業規則の作成・管理
・労働時間の管理
・労働契約・条件の管理
・社会保険の手続き
・福利厚生の管理
・安全衛生の管理

上記は労務管理の業務のごく一部であり、会社によっては、社員の評価や採用を担う人事管理の業務も兼ねているケースもあります。

労務管理における課題

労務管理の業務内容をすべて自社で行なった場合、あらゆる課題を社内で対処しなければなりません。例えば、労働契約においてのトラブルです。入社の際には企業と社員が労働契約を結びます。しかし、賞与や退職金、有給休暇などが曖昧な状態で契約をすると、後々トラブルに発展する可能性があります。

同一労働同一賃金の問題もあり正社員と非正規雇用労働者とで不合理な待遇差を改善しない場合、行政ADR(裁判外紛争解決手続き)の対象になることもあります。

また、社会保険の手続きは複雑であるため、特に一度に多くの社員が入社する時期などでは、業務が集中することからミスが起こりやすくなりがちです。社会保険は、社員の家族にまでかかわってくることもあります。社員と企業との間の信頼関係に影響しないよう、正確な対応が求められます。

人事管理とは

会社が継続的に事業活動を行なううえで労務管理は必要なものですが、それと同様に人事管理も重視すべき業務です。

人事管理では、会社にとって必要な人材を育成したり、採用活動を行なったりします。ここからは、人事管理の業務内容を細かく見ていきましょう。

人事管理の業務内容

企業が成長し続けるうえで人材は重要な経営資源の一つとされており、これを管理するのが人事管理です。人事管理の具体的な業務内容としては、おもに以下のものが挙げられます。

・新しい人材の採用
・採用に伴う各種手続き
・社員の異動・配置・ジョブローテーション
・人事考課
・社員のコンディション・モチベーションの管理
・人材開発・育成(研修・OJT)

人事管理の業務のなかでも、人材育成やマネジメントは会社の生産性にも大きくかかわります。職種や社員の階層(新入社員、中堅社員、管理職など)に応じた研修などを定期的に行ない、組織としてのスキルの底上げを目指します。

また、人材を評価し、人材を適切に配置する業務は、社員のモチベーションに影響する問題であることから、本人の希望や能力を十分に考慮したうえで決定することが求められます。

このように、労務管理と人事管理に関しては管理すべき対象が異なることから、大手企業などでは部署を細分化して業務を振り分けているケースもあります。しかし、会社によっては人材不足などの理由から、「人事労務職」などの名称で、同一の部署で労務職と人事職の両方を担当していることもめずらしくありません。

また、給与計算や勤怠管理は一般的には労務管理に分類されますが、人事管理が担当するケースもあるので、理解しておきましょう。

給与計算

給与は社員の生活に直結するものであるため、決められた支払日に確実に振り込むことが求められます。給与計算をする場合には、保険や税金を差し引いたうえで最終的な支給額を決定する必要があり、ミスがあってはならない仕事の一つです。後述する勤怠管理とも結びつき、複雑で手間や時間がかかる業務といえます。

勤怠管理

勤怠管理では、一人ひとりの社員が「1日に何時間働いているか」「遅刻をしていないか」などを細かく確認していきます。適切に勤怠管理ができていないと、正確な給与計算が難しくなります。加えて、長時間労働や残業代の未払いなどの問題を招くケースもあります。不要なトラブルを防ぐためにも、勤怠管理は徹底して行なう必要があるのです。

人事管理における課題

新型コロナウイルス感染症の拡大により、人事管理の課題にも変化が見られるようになりました。2020年以降、テレワークの導入が急速に進んだため、オフィスに出社をしない社員に対し、いかに適切に勤怠管理を行なうかが新たな課題となったのです。

テレワーク環境のもと、勤怠管理をするうえでもっとも気を付けなければならないこととして、長時間残業が挙げられます。長時間残業が慢性化すると社員の健康を損なうおそれもあるため、長時間残業や隠れ残業を防ぐ取り組みも会社として行なうべきといえるでしょう。

ただし、管理の程度が度を超えてしまうと、社員は「会社から監視されている」と感じてしまうものです。社員が不満を抱えたまま仕事をしないためにも、より適切な人事管理が求められます。

アウトソーシングも一つの選択肢

人事・労務管理は、企業の売り上げに直結する業務ではありません。しかし、複雑な業務も多いため、人件費をかけて業務に精通した人材の雇用するなどの対応が必要となります。

そういったなかで「コストを削減したい」「人材不足ではあるが、コア業務に集中して取り組みたい」などの事情がある場合などには、人事・労務をアウトソーシングすることも検討してみましょう。

人事・労務のアウトソーシングとは

「アウトソーシング」とは、特定の業務を外部に委託することです。人事・労務管理の業務を自社以外の他企業に代行してもらうことで、人材不足によってコア業務と人事・労務管理の業務を兼務していた社員の負担が軽くなります。また、専任の社員を雇用するための人件費がカットできます。

ただし、人事・労務管理の業務をアウトソーシングする場合でも、当然メリットとデメリットがあります。メリット・デメリットについて正しく理解したうえで、自社にとって必要であると判断した場合は外部委託を検討しましょう。

メリット

人事・労務をアウトソーシングすることには、いくつかのメリットがあります。

(1)コスト削減
まず、コストの削減です。アウトソーシングを本稼働させるまでに、既存業務のフローなどを再確認することになりますが、それによって「本当に必要な業務」と「実際はそこまで必要ではなかった業務」が明るみになり、業務の棚卸しができます。必要ではないと判明した業務を削減することで、無駄なコストの削減につながります。

また、人事・労務管理の専任の社員を複数雇用するよりもアウトソーシングを行なったほうが結果的にコスト削減につながることもあります。

(2)本来の業務に集中できる
次に、人事・労務業務をアウトソーシングした場合、よりコア業務に集中できる環境が実現します。人事・労務の業務は非常に幅広いという特徴があるため、特定の社員に任せきりにしてしまうと、本来取り組むべき業務が疎かになってしまうおそれがあります。

このような状況を防ぐためにも、人事・労務はアウトソーシングして、付加価値の高い業務を集中的に行なえるような取り組みをしましょう。

また、担当者任せになってしまうと人事・労務業務が属人化してしまうこともあります。アウトソーシングをした場合、急な退職や休職があった際にも、迅速な対応が行なえます。


(3)法改正が起こっても柔軟に対応できる
また、アウトソーシングであれば、労働基準法などの法改正があった場合でも柔軟に対応してもらえます。社会保険制度や労働関連の法令は頻繁に改定されるため、人事・労務業務の管理者は定期的に正しい情報を収集することが欠かせません。

中小企業など人手不足の企業では、専門的で難解な法改正の内容を理解することが難しく、最新の法改正が業務に反映しにくい場合もあります。法的な知識のアップデートを外部委託先に任せ、自社社員には負荷を負わせることなく常に最新の制度に対応してもらえるのは大きなメリットでしょう。

デメリット

上記でメリットを紹介しましたが、逆にデメリットも存在します。ここでは詳しくデメリットについても確認していきましょう。

(1)想定していたコストが増えることもある
メリットでコストの削減を上げましたが、状況によってはコストがかかり過ぎてしまうことが考えられます。業務を外部に委託する場合は、当然ある程度のコストが必要です。

また、追加で依頼したイレギュラーな業務の対応などで、当初予定していたよりもコストが増加することもあります。アウトソーシングを依頼する業務の線引きを行ない、追加料金が発生する業務などをあらかじめ可能な範囲で把握することが大切です。

(2)社内にノウハウが蓄積されない
人事・労務管理業務のノウハウが自社に蓄積されないこともデメリットです。自社内に人事・労務管理業務に精通した人がいないと、社員からの問い合わせにも迅速に対応できないケースなどがあります。

委託先と定期的に業務内容を共有してもらう機会を設けるほか、業務仕様書の作成を依頼しましょう。また、すべてを委託先に丸投げするのではなく、「委託する業務」と「自社で行なう業務」をしっかりと見極めることがポイントです。

(3)情報漏えいのリスク
アウトソーシング先を選定する際は、個人情報をはじめとする重要なデータが安全に扱われるのか、情報漏えいのリスク対策もしっかりと確認することが重要です。

このように委託先については、料金だけで決めるのではなく、専門性やサービス面や実績・安全性などもしっかりとチェックをしましょう。

進め方

それでは実際に人事・労務管理をアウトソーシングする場合の進め方を見てみましょう。

(1)業務内容の棚卸し
人事・労務管理をアウトソーシングする場合、まずはこれまで自社で行なっていた人事・労務業務を棚卸しするところから始めましょう。すべての業務を可視化すると、外部委託すべき業務がおのずと見えてきます。

(2)業務コストの試算
アウトソーシングする業務の見極めができたら現在の業務コストの試算を行なったうえで、委託先候補の会社に見積もりを依頼しましょう。このとき、複数社から見積もりを取り、サービス内容やコストを見比べることがポイントです。見積もりを取る前にヒアリングを行なっている会社の場合には、疑問点などを相談してみるとよいでしょう。

(3)業務委託契約を結ぶ
委託先の会社が決定したら業務委託契約を結び、いよいよサービス開始です。業務を委託した場合でも、内容や難易度などによっては委託先から問い合わせがあることもあります。人事・労務管理のアウトソーシングが軌道に乗るまでにはある程度の時間がかかるため、信頼できる委託先を選択することが大切です。

専門家による相談付きのアウトソーシングを提供

人事・労務に関する業務のアウトソーシングサービスの提供を行なっている企業はたくさんあります。そのため、委託先の会社を決定する際には十分に精査して結論を出すことが大切です。ここでは、TOMAのアウトソーシングの特徴や強みなどをご紹介します。

TOMAのアウトソーシングの強み

TOMAのアウトソーシングサービスは完全クラウド型で、テレワークを実施しているお客様にも不便なくアウトソーシングをご利用いただけます。また、TOMAでは人事・労務の専門家である社会保険労務士が常駐しています。

電話やメール、WEB会議システムで社会保険労務士に相談でき、作業や処理に迷ったときもすぐに解決できて安心です。また、法改正に関連する時間外労働の扱いや社会保険料の控除方法など煩雑な内容も、専門家の視点でチェックし対応できることが、単純なアウトソーシング会社にはないTOMAの強みと言えます。

TOMAが提供するサービス

TOMAでは、以下の3つの月次顧問契約コースやテレワークに対応した勤怠管理システムをご用意しています。

・フルアウトソーシングコース
給与計算や社会保険手続き、年末調整や給与支払報告書の提出まで、給与計算に付随する複雑な業務をトータルで対応する「フルアウトソーシングコース」。TOMAで一番人気のコースです。

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TOMAが使用する給与計算ソフトを、テレワーク先からでもお客様にお使いいただける「クラウド給与レンタルコース」では、法改正への対応やメンテナンスはTOMAの担当者が実施し、サポート体制も万全です。

・社会保険手続きコース
社会保険手続きのみをTOMAが代行する「社会保険手続きコース」では、お客様のご連絡1本で必要な手続きや書類の作成をスピーディに行ないます。

各コースの詳細はWEBチラシをご覧ください。

まとめ

人事管理と労務管理が行なっている業務は、企業内では重要な業務です。適切な人事・労務管理が行なわれることでより良い労働環境が実現するため、社員のモチベーションを高め、企業の業績を好転させる可能性を担う業務といえます。そのため、自社にとって適切な人事・労務管理の仕方について今一度検討してみましょう。

人事・労務管理業務の展開方法として、アウトソーシングを利用するのも一案です。利用する際は、今回ご紹介したデメリットを踏まえて検討することで、人件費などのコストの削減や、自社社員がコア業務に集中できるようになるなど、多くのメリットが得られます。

依頼するコースに迷われている場合やアウトソーシングのデメリットについて不安を感じている場合には、無料相談でお気軽にお問い合わせください。
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