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種類株式と属人的株式の活用

記事作成日2020/05/12 最終更新日2020/05/12

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株式ごとに権利内容の変更が可能

株式会社では権利内容の異なる複数の種類の株式を発行することができ、会社法では9つの種類株式を規定しています。また、非公開会社において株主ごとに異なる取扱いをする旨を定款に定めることができる属人的株式を認めています。

種類株式とは

普通株式とは異なる権利や内容を持つ株式で、議決権、配当権、残余財産分配権などを制限したり、逆に優先したりすることができ、次のものがあります。


1. 配当優先株式(配当について優先してもらうことができる株式)

 2. 残余財産分配優先株式(優先的に残余財産を受け取れる株式)

 3. 議決権制限株式(原則、株主は1株につき1個の議決権を持っているが、議決権を行使できる事項に制限がある株式)

 4. 譲渡制限株式(種類株式ごとに譲渡制限することができる株式)

 5. 取得請求権付株式(株主が会社へ買い取りの請求ができる株式)

 6. 取得条項付株式(一定の事由が生じたときに会社が強制取得できる株式)

 7. 全部取得条項付株式(株主総会決議に基づき、その全部を強制取得することができる株式)

 8. 拒否権付株式(会社の意思決定について、拒否権を発動できる株式)

 9. 役員選解任権付株式(特定の株主に一定の役員の選任、解任などを求めることができる株式)

属人的株式とは

種類株式とは別に、株式のすべてに譲渡制限が付されている非公開会社は、
(1)配当を受ける権利
(2)残余財産の分配を受ける権利
(3)株主総会における議決権
について、株主ごとに異なる取扱いをすることができます。

種類株式は、株式そのものの権利が変わりますが、属人的株式は、例えば社長の持っている株式1株につき100個の議決権を付与するというように株式の保有者によって権利の内容を変更することができる株式です。そして、その社長が死亡すれば特別な手続きを踏むことなく、属人的株式は普通株式に戻ります。

上手く株式の権利を変更することで、事業承継の対策としても活用できます。

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