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SFAとは何かを徹底解説

記事作成日2020/03/13 最終更新日2021/01/22

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近年、急速に耳にするようになったSFA。「どうせ大企業が導入する高価なシステムでしょ」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。現在、多くの中小企業で導入が進んでいるシステムです。人口減少が進む日本において、人財をより効率的に、最大の効果を発揮できる営業支援システムを導入し、ライバルの一歩先を行く。それこそが今後のビジネスにおいて大切になることは間違いありません。

でも今更「SFAとは何か」なんて恥ずかしくて聞けない…。そんな方のために、今回はSFAを一から解説したいと思います。

SFAとは端的にいうと何か?

SFAとは、IT技術を使い営業活動をフォローするシステムです。もう少し具体的にいうと、営業活動には見込み客へのコンタクト、商品サービスの提案、受注という流れがあります。この中でさまざまな情報が発生し、売上を上げるために行われる業務プロセスが存在します。これらを一元管理し、全体で共有できるようにするシステムがSFAです。

とても単純な例を挙げると、クライアントの担当者はゴルフが趣味とわかったとします。しかし、現状の担当営業はゴルフ経験がなく、話が弾みません。SFAでその情報が共有されたらゴルフに詳しい営業がアドバイスをできる、あるいは担当を変えた方が受注への近道になるかもしれません。このように情報をみんなで共有し、売上を伸ばしていこうというシステムがSFAです。

これまでの日本の営業活動はみんなで協力しようという雰囲気よりも、各々が属人的(特定の業務において、担当者しかノウハウを知らない状態)に活動し、能力の秀でた営業が成績を出す。その成績が評価や給与の査定に反映される。ある意味で社内の営業は全員が仲間であり、ライバルでもあったわけです。これではトップの営業が転職したり、定年退職したりすると企業の営業力は急落してしまいます。全社一丸となって営業力を底上げし、売上を伸ばす為のツールとして生まれたのがSFAなのです。

SFAとはなんの略?なぜ今注目されるのか?

SFAは以下を略した言葉です。

S=sales=「営業」

F=force=「部隊」

A=Automation=「自動化」

日本語では「営業支援システム」と略されることが多いです。

この考えは1990年代前半、アメリカで生まれました。そのころバブル後の不況下にあった日本では、状況を脱する救世主としてSFAは注目を浴びました。しかし浸透することはありませんでした。

それはなぜか?

端的にいうと当時の日本のビジネス文化が合わなかったことが大きな理由だと考えられます。

アメリカにおいて、営業活動とはマーケティングの一部として考えられています。市場にはこういったニーズがある。だから営業はこの商品に注力しようといった感じです。

ところが、日本の営業は前述したように属人的であり、一人ひとりが独立して動く為、みんなで営業そろってという考えは浸透しなかったのです。また、コンピュータは当時、限られた人しか使えないツールだったというのも一因でしょう。

誕生から四半世紀が経ち、時代は変わりました。パソコン、スマホはビジネスにおけるマストツールです。また、日本人の人口減少、政府の推進する「働き方改革」の推奨といった観点からこれまでの属人的な働き方ではさらなる成長を測ることができなくなり、SFAは再注目されるようになりました。

IDC Japan(株)が調査した「国内CRMアプリケーション市場予測、2017年~2023年」によると、CRM/SFA市場は2023年までに2,079億8,000万円規模にまで成長すると予想されています。

SFAを導入する意味は?

では、SFAを導入することに一体どんな意味やメリットがあるのでしょうか?

営業活動には直接、お客様のもとへ出向き商談を進めるフィールドセールスと、見込み客の分析や管理を行うインサイドセールスの2種類があります。サブスクリプション型のビジネスが拡大しつつある現在、インサイドセールスはこれまで以上に重要な役割を担うことになります。しかし、インサイドセールスの多くはITによる管理が可能です。それどころか単純な作業であれば機械の方が人間よりもはるかに正確な仕事をしてくれます。

逆に、クライアント先に訪問し、直接コミュニケーションをとり関係性を築くといった仕事は人間にしかできない仕事です。SFAを導入することで、システム管理できる仕事は全て任せ、人間は人間にしかできない仕事に集中できる環境を作ることができます。さらにSFAはフィールドセールスをサポートする機能も持ち合わせています。

このようなシステムは大企業よりも、人材が不足しがちな中小企業にとって大きな意味を持ちます。1日わずか15分、単純作業を行う時間が減るだけで、1年で60時間の削減になると考えれば、これがどれだけの価値を産むかは火を見るよりも明らかです。

SFAを導入するとき、システムを選ぶポイントは?

現在、SFAはさまざまな商品が販売されています。そのため、導入しようと思っても自分の会社にはどんなシステムがあっているのか、迷ってしまうこともあるでしょう。営業活動の核となり得るだけでなく、導入にはかなりの費用がかかります。だからこそ慎重に選びたいものです。

では、SFAはどういった観点から選ぶのが正解なのでしょうか。

1.「操作性」の良さは何よりも重要

最も重要といっても過言ではないポイントは操作が容易であること。マニュアルを見ながらでなければ操作ができないようなシステムでは意味がありません。操作性が悪く、入力に時間がかかるようなシステムは営業のモチベーションが下がる要因になります。また外出先でスマホやタブレットでも容易に入力できるかどうかもチェックすべきポイントです。タイムリーな情報共有が可能になれば、それだけビジネスチャンスが増えると心得ましょう。

2.アフターサポートの有無

数あるSFA商品でも、売り切りのシステムは少し検討が必要でしょう。なぜなら、営業の手法は常に変化していますし、PDCAを回すことでシステムを変更したい場合も発生する可能性もあるからです。

SFAを導入する企業はほとんどが初めての試みだと思います。「もっとこうしたい、こうならいいのに」といった要望は導入後に明らかになるものです。アフターサポートの有無はしっかりとチェックしましょう。

3.信頼性の高いシステムを選ぶ

初めての導入であれば、見たことも聞いたこともない名前のシステムを購入することになります。不安になるのは当然です。そんな時は他社での採用実績や、その数をチェックして見ましょう。

採用した企業の導入後の声がある場合は、ぜひ参考にしましょう。当然、商品に対するマイナス面は書いていないでしょうが、前述した操作性が良いかどうか、アフターフォローが充実しているかどうかをチェックするのには適しています。また、他社の事例が自社の営業スタイルに近いなら、導入後の運用もスムーズになるでしょう。

4.費用対効果を見極める

システムの導入によってもたらされるメリットが、ランニングコストと鑑みてバランスしているかどうかは経営層がしっかりと見極めなければなりません。SFAの中には自社では利用しないシステムがたくさんあり、そのぶん価格が高いといったケースもあるかもしれません。「大は小を兼ねる」的な考えでの購入は避けた方が良いでしょう。

SFAでできる営業支援のカタチとは? 一体何ができるの?

では、SFAは具体的にどんなことができるのでしょうか。商品によっても異なりますが、代表的な機能を紹介します。

1.顧客情報の管理・分析

顧客の名前や企業名、代表連絡先はもちろん、過去を含めた商談の流れを管理することも可能です。トップの営業がどんな流れでセールスを行なっていたか? また、新人の営業がどこで困っているかも全体で共有することができます。

トップの事例は模範に、新人には的確なアドバイスを送ることが可能です。

2.営業活動の進捗管理

営業が顧客を何回訪問したか、顧客の商品サービスに対する関心・感触はどうかといった営業活動の進捗から、見積もり、売上金額まで管理をすることができます。受注率などもデータとして見える化が可能になるため、戦略を立てる材料になります。

3.営業状況の報告管理

SFAを導入することでフィールドセールスに集中できるようになった営業が、会社の外でどんな活動をしたのかを一元管理できます。スマホからも入力が可能なシステムも多いので、会社に戻らずとも出先で入力ができるのは大きなメリットです。入力はもちろん、他の営業がどんな行動をしていたかもリアルタイムでチェックできるのも嬉しいポイントです。

4.Eメールのテンプレート、自動応答システム

今やビジネスコミュニケーションにおいて、電話よりもメールの方が多く使われるようになりました。1日に何10回もメールを送る場合、都度クライアントの企業名、名前、挨拶締めの言葉を打つのは大変です。また、メールを送る営業によって、言い回しが違うと、受信した顧客は違和感を覚えるかもしれません。全員が同じテンプレートを使用することで、作業の時間が省けるだけでなく、メールマナーの均一化も測れます。

さらに、顧客からの問い合わせに対して自動返信をしてくれる機能もあります。例えば、有給休暇中にメールが届いた場合、お休み中なのにスマホを開いて顧客へ返信メールをしていてはゆっくり体を休めることもできません。そんな時にはSFAが便利。「本日は休暇をいただいております」というメールを自動で返信してくれます。

このようにSFAによって、属人化していた営業活動の「見える化」、全員が一定レベルの営業活動を行える「標準化」、そして、作業時間を短縮する「効率化」といったメリットを享受することができます。

SFAと似た機能が多いCRMとは?

SFAとよく比較される CRM。一体何が違うのかよくわからないという人は多いと思います。

SFAはSales Force Automationの略で「営業支援システム」といわれるのに対し、CRMはCustomer Relationship Managementの略で「顧客関係管理」といわれます。

最大の違いは、SFAは自社の営業のためのもの、CRMは顧客の満足度をあげるためのものだと理解してください。ただ、自動返信メールなどは営業にとっても嬉しい機能であり、顧客満足度を上げるための機能でもあります。そのため、SFAとCRMは機能として似ているものが多く、同じものと一括りにされてしまうことが多いのです。

SFAとCRMの違いは何?

SFAとCRMはどちらも営業活動を成功に導くためのシステムツールです。ただCRMは営業支援にとどまらず、マーケティングの領域までサポートするため、幅が広いのが特徴です。徹底した顧客管理を基に、顧客のニーズに合わせた商品サービスを提供することによって顧客満足度の向上、良好なリレーションシップを維持することを目指します。

そのためSFAにはない問い合わせ管理やWEBマーケティング、商品情報管理などもCRMの領域になります。顧客が何に興味を持っていて、どんな商品を望んでいるのか。それは一社一社異なって当たり前です。人間が全て個別に対応するのは大変な労力を要しますが、CRMであれば個別のプロモーションが可能になるのです。

SFAで顧客管理を徹底し、売上を伸ばすには?

SFAをうまく活用できれば売上を効率的に伸ばすことが可能になります。しかし、そのために絶対に取り組まなければならないことがあります。それは、新しいシステムを使いこなせるだけの土壌を築くことです。

まずは、新しいシステムに対応できるように営業の意識改革が大切です。特に属人的な営業スタイルが是という雰囲気のある会社では要注意です。導入に表向きは賛成していても結局情報共有がされないような状態になっては意味がありません。

そして、業務の棚卸を行い仕事の地層化を防ぎましょう。SFAを導入すれば、これまでやっていた仕事の中に減らせる業務がきっとあるはずです。今行っている業務にプラスオンしては負荷がかかるだけです。これでは「忙しくてSFAなんてシステム使っていられない」という雰囲気になり、成功しないでしょう。

栄養のない土に種を植えても芽は出ないのです。新しい種(システム)を植える前に、しっかりと土を耕す(業務改善をする)ことに注力しましょう。

業務改善についてより詳しく知りたい方は以下資料をご活用ください。

SFAとは「なに」か、ご理解いただけましたか?

SFAとはなんなのか、ご理解いただけましたか?

SFAは、うまく利用できれば、労働力人口が減少の一途を辿る日本の救世主となる可能性を秘めた画期的なシステムです。

昔から伝わる日本の「足で稼ぐ」営業スタイルが間違っているわけではありません。しかし、絶対の正解でもない時代が到来したのです。

新しいシステムを柔軟な思考で取り入れ、世界と戦える強い企業を作り上げましょう!

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