BLOG

専門家によるブログ

行政書士業務ブログ

外国人が退職・転職したら就労ビザはどうなるのか?必要な手続きとは何か

記事作成日2016/08/01 最終更新日2022/09/28

X
facebook
copy

外国人が日本で勤めていた企業を退職したら、就労ビザは無くなってしまうのでしょうか?また、失業中にアルバイトを行うことは許されるのでしょうか?この記事では退職・転職時の就労ビザについて解説します。

退職報告、所属機関変更手続が必要です

就労ビザで滞在する外国人が退職または失業した場合、そのままにしておくと、次回の更新申請が認められません。引き続き日本にいたいときは、退職報告の届け出、新しい職場の確保、新しい就職先への勤務先変更手続きが必要です。失業中に次の就職先を探す間、失業手当をもらえる可能性があります。失業手当は、次の職場が決まるまでの間、仕事を探している期間に出る手当です。会社が雇用保険が給料を天引きし、国に納めていれば、外国人もハローワークで失業手当をもらえます。

会社都合の退職の場合は、待機期間7日間の後、受給できます。しかし、自己都合の退職や懲戒解雇などの場合は、さらに3か月間の給付制限期間が加わり、その間受給を待たなくてはなりません。

資格外のアルバイトは禁止

2012年に、新たに創設された在留届出制度により自己都合の退職、会社都合の退職にかかわらず、失業後14日以内に入管に仕事を辞めたことを届け出る必要があります。在留資格の期限が残っていても、在留資格で認められていない仕事をする場合は、「資格外活動許可」の申請手続きも必要です。「資格外活動許可」を得るためには、会社都合の退職であることや、やむを得ない事情の退職であることを説明します。

転職する場合

日本で働いている外国人が転職した場合、就労ビザはどうなるのでしょうか。また、転職するためにはどのような届出や手続きが必要になるのでしょうか。

外国人は日本で自由に転職できるのか

外国人の転職自体が禁止されてはいませんが、自由に転職できるというわけではありません。

特に注意が必要なのは、在留資格が関係する場合です。外国人が日本に住む(在留)場合には、在留資格によって活動できる範囲が定められています。転職することで、現在の在留資格で認められた活動範囲を超えてしまうと、不法就労した外国人だけでなく、不法就労をさせた事業主も処罰の対象となります。

なお、単純労働に就くことが認められるためには、永住者の配偶者等や日本人の配偶者等などの在留資格が必要になります。
そのため、基本的に単純労働への転職はできません。

転職したら就労ビザの変更は必要か

別の職種に転職することで業務内容が現在の在留資格の範囲から外れてしまう場合、必ず「在留資格変更許可申請書」の申請が必要です。
一方、転職先も同一の職種であるなど、現在の在留資格で認められている範囲内の仕事を引き続き行う場合は、「所属機関等に関する届出手続」を行います。

ただし、同一企業内(会社名)でも立場が変わると就労ビザの変更が必要になる場合があります。例えば、技術者として働いていた人が、同一職種の別の会社で管理者としての立場に就く場合は、在留資格が変わるため、就労ビザの変更が必要です。

転職した場合にはどのような届出や手続きが必要か

転職するなどして、在留資格の変更が必要になる場合は、「在留資格変更許可申請」の手続きが必要です。申請書に加え、新たに取得したい在留資格ごとに定められた「日本での活動内容に応じた資料」の提出が求められます。

また、同一職種への転職の場合でも、所属機関に変更があった場合は、入局管理局に「所属機関等に関する届出」を行います。いずれにしても、転職する場合には、同じ職種であるかどうか判断するのが難しいケースがあります。

そこで入管法は、外国人が希望する場合には、その者が行うことができる就労活動を容易に確認できる「就労資格証明書」を交付することができるようにしました。
就労資格証明書は、外国人が就労活動を行うための許可書ではありませんが、次回の在留期間更新時に添付資料の一部として提出することができます。

外国人が日本で転職することはできますが、在留資格の関係で自由に転職できません。また転職にあたって届出や手続きも必要になります。就労ビザには在留期間も定められています。申請手続きは、在留期間の満了するおおむね3か月前から可能です。十分時間のゆとりを持って行動するようにしましょう。

再就職をしたら念のための申請を

再就職が決まったら、入管に就職したことについての申告手続きを行います。在留資格で認められている仕事についた場合は問題ないのですが、トラブルを避けるため、現在の在留資格で仕事をしていいかを確認する「就労資格証明書交付申請」で、入管に判断をしてもらうことをお勧めします。

行政書士や弁護士に相談すれば、失業後の退職報告の届け出、職場変更や再就職したときのビザ申請、書類作成から提出の代行までしてくれるので、自分で行うのが難しい場合は、相談して見積りをもらいましょう。

TOMAでは在留資格の認定、更新、変更などの申請を、行政書士がお手伝いしております。企業向け在留資格(ビザ)の申請サービスに関してはこちらよりご覧ください。

初めての方 閉じる