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行政書士業務と各種許認可~産業廃棄物処理業許可(3)~

記事作成日2016/09/13 最終更新日2023/01/18

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廃棄物を排出する際、違法な処理に関わってしまうことがないように、事業者が留意すべき点を解説します。産業廃棄物処理業者を利用する立場から、廃棄物の適正処理を考えてみましょう。

◆排出する廃棄物は産業廃棄物にあたるか

まずは排出しようする廃棄物が「産業廃棄物」にあたるかどうか確認する必要があります。事業活動から生じる廃棄物の多くは産廃です。しかし、一部の廃棄物は、特定の業種や工程から発生するもののみが産廃とされ、その他は(事業系)一般廃棄物とされています。例えば「紙くず」は、建設工事や製紙業における製造工程から生じたものは産廃ですが、一般の事務所などからのものは一般廃棄物です。一般廃棄物の処理は自治体が行います。

◆産廃処理業者の選定のポイント

①排出する廃棄物の種類は何か

産業廃棄物は、「紙くず」、「木くず」、「金属くず」など20種類もあります。産廃処理業の許可も廃棄物の種類ごとになされます。処理を委託する際には、まずその産廃の種類を把握します。

②委託しようとする業者が①の許可を持っているか

その上で、当該廃棄物の種類について許可を持っている事業者を選定する必要があります。仮に他の種類の廃棄物について許可を持っていても、当該種類について許可を持っていなければ無許可業者への委託となってしまいます(5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金)。

◆委託契約の締結について

処理業者の選定を行った後は、委託契約を締結します。この際に留意する点は、①必ず契約書を作成すること、②契約書は契約の終了日から5年間保存すること、③収集運搬業者との契約と処分業者との契約は、それぞれ別個に締結すること、などです。③については、収集運搬業者に処理を丸投げすることは許されないということを意味します。①から③は全て法律上の義務です。

◆マニフェスト(産業廃棄物管理票)について

産廃の処理については、契約書とは別にマニフェスト(廃棄物管理票)という書類を用いることが義務付けられています。マニフェストは複写式の書類で、排出者、収集運搬業者、処分業者の間で廃棄物が最終的にどのように処理されたのかについて情報共有を行うことができます。マニフェストも5年間の保存義務があります。

TOMA行政書士法人では、産業廃棄物の排出者向けに適正処理についてのサポートやコンサルティングを行っております。お気軽にお問い合わせください。

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