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株式会社の解散から清算について

記事作成日2017/09/21 最終更新日2017/09/21

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会社の解散・清算とは、会社が行っている業務をすべて中止し、会社の法人格を消滅させる手続きです。会社は、株主総会の決議その他の事由により解散します。ただし、解散した後でも会社を継続できる場合があります。

1 解散

株式会社の解散事由は、以下のとおりです。

  1. 定款で定めた存続期間の満了
  2. 定款で定めた解散事由の発生
  3. 株主総会の決議(特別決議)
  4. 合併
  5. 破産手続き開始の決定
  6. 解散を命ずる裁判

会社の解散とは、会社の法人格を消滅させるために必要な清算手続きに移行するための手続きのことをいいます。したがって、解散により直ちに会社の法人格が消滅するわけではなく、清算の目的の範囲内で会社は存続することになります。

①~③の事由によって解散した株式会社は、2週間以内に本店所在地において解散の登記をする必要があります。④の場合にも合併による解散の登記が必要です。これらに対して、⑤と⑥の場合には、職権による解散登記の手続きがとられます。

①~③の事由によって解散した場合、清算結了するまでは、株主総会の特別決議で継続することができます。継続した株式会社は、2週間以内に本店所在地において継続の登記をする必要があります。

2 継続

会社の継続とは、1.解散の①~③の事由により解散した場合に、株主総会の特別決議で解散前の状態に戻り、再び営業活動ができるようになることをいいます。

会社の継続は、会社が解散したことをなかったことにするわけではないので、解散前の取締役、代表取締役が当然に復活するわけではありません。つまり、株主総会で新たに取締役等を選任しなければなりません。

会社の継続があった場合、2週間以内に会社継続の登記をしなければなりません。

3 清算

清算には、清算と特別清算の2つがあります。以下に、簡単に説明します。

株式会社が解散した後は、従来どおりの営業活動を行うことなく、残余財産がある場合にはこれを株主に分配するという目的の範囲内において解散前の株式会社と同一の法人格が持続し(会社法第476条)、合併又は破産手続開始決定により解散する場合を除いて、解散をした会社は清算をしなければなりません(会社法第475条)。

4 特別清算

特別清算手続きとは、清算株式会社において、(a)清算の遂行に著しい支障をきたすべき事情があること、(b)債務超過状態の疑いがあることの何らかの事由がある場合、申立てによって裁判所が開始を命じる手続きです。

特例有限会社については、特別清算手続の規定は適用されませんので、注意が必要です。

特別清算手続きは、債務を全額弁済することが不可能な清算会社が、清算会社と債権者との個別契約や清算人が作成する協定により、債権の一部を弁済する手続きです。この個別契約は、債権を全部あるいは一部放棄する和解契約となるのが通常です。特別清算は破産と同じく、裁判所が関与する法的清算手続きですが、破産ほど厳格ではなく、個別同意や協定により債権免除を求めるなど柔軟に清算手続きを実行できる、いわば清算手続きと破産手続きの中間的な手続きといえます。

清算手続きが終了することを清算結了といいます。この清算結了をもって、会社の法人格は消滅することになります。

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