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中小企業投資育成株式会社からの出資について

記事作成日2017/02/28 最終更新日2017/02/28

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会社が財務基盤を強化するには、まず自己資本比率を上げなくてはなりません。自己資本を増強する方法は、(1)利益を積み上げる、(2)増資を行う、の2点があげられます。今回は(2)の増資について説明したいと思います。

直接金融となる第3者からの増資は中小企業にとってハードルの高い話ではありますが、中小企業投資育成株式会社(以下:投資育成)からの出資となれば、若干ハードルは下がってきます。
投資育成は、地方公共団体や金融機関等からの出資を受け、国(経済産業省)が監督をしている政策実施機関です。主に中小企業の自己資本の充実、経営の安定化、企業成長の支援を行い、地域経済の貢献につとめることが目的の機関であります。

投資育成についてよく聞かれる質問や特徴についてあげてみました。

Q1:将来的に上場しなくてはならないのか?

投資を受けるとなると最終的には「上場をしなくてはならない」というイメージがあるかもしれません。投資育成の目的は、中小企業の長期的な経営の安定です。ですので、上場することが投資の条件にはなりません。ただし、「体力に応じた長期の安定した配当」を求められます。

Q2:どれくらいの期間、株式を保有してくれるのか?

投資育成は中小企業に対して長期にわたって自己資本の充実や経営権の安定をサポートしております。ですので、株式の保有期間を設けていません。

Q3:出資を受ける条件は?

資本金が3億円以下の株式会社になります。また将来にわたって配当が支払える収益力、成長力が期待できる会社となります。投資の限度(出資を受けられる上限)は、原則、投資後議決権比率50%以下となります。株価は投資育成株価算定に基づく株価となります。
公認会計による監査については2001年4月より任意となっております。

Q4:経営への関与はどうか?

基本的に投資育成は出資先の経営に関与しません。但し、適時適切な情報開示は必要です。

投資育成は、ベンチャーキャピタルやファンドのように、上場によるキャピタルゲイン(株式売却益)を目的としているのではなく、インカムゲイン(長期的な配当)を目的としているので、中小企業にとっては長期の安定株主となります。また基本的には経営の関与をしませんので、経営の自由度は担保されます。
もし出資の受け入れ等を検討していましたら、投資育成の出資も考えてみては如何でしょうか。

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