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決算書の分析(生産性の分析)

記事作成日2017/07/27 最終更新日2020/07/02

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昨今「働き方改革」の議論がにぎやかとなっており、国を挙げて、残業時間の減少や、労働生産性の向上に取り組んでいます。医療の現場においても、残業時間の多さや、労働生産性の向上などが課題となっているかと思います。
前回は貸借対照表に関する分析指標として「流動比率」についてご説明致しましたが、
今回は損益計算書に関する分析指標のうち、生産性に係る分析指標についてご説明させて頂きます。

事業活動上の生産性を把握するための分析指標として、次の指標を確認するとよいでしょう。
(1)付加価値率
医療機関の場合、医業収入を得るために外部から買い入れた材料費等を差し引いた額が付加価値額(限界利益)であり、この付加価値額が使える金額の目安となり、その中でやりくりがつけば、財務は健全化します。

付加価値率=付加価値額(*)÷医業収益×100

(*)付加価値額=医業収益 - 医業費用

医業収益がどれだけの付加価値を生み出したかを示す指標が付加価値率であり、
この数値が高いほど良好と言えます。

(2)労働分配率
付加価値に占める人件費の割合で示す「労働分配率」を見ることで、人件費負担に問題がないかがわかります。

労働分配率=人件費÷付加価値額×100

「労働分配率」は医療機関における付加価値がどの程度、従事者に分配されたかをを示すものであり、一般的には低い方がよいとされています。
但し、労働分配率が低すぎるとスタッフのモチベーションの低下を招くことになりますので、注意が必要です。
人件費は固定費的な性格であることから、経常的に労働分配率の高い医療機関には赤字体質のところが多くなっています。

以上、病医院の先生も自院の決算書を見て、生産性について分析してみてはいかがでしょうか。
不明な点や不安な点がありましたら、お気軽にTOMAにご相談ください。

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