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新型コロナウイルス感染症に関連する医療費控除

記事作成日2020/12/16 最終更新日2020/12/16

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年明け後の確定申告に向けて、国税庁より新型コロナウイルス感染症に関連する医療や予防行為について、医療費控除の対象の可否についてFAQが公表されました。

(国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/05.htm【10月23日追加】)

医療費控除の対象となる医療費

まず前提となる医療費控除の対象となる医療費についての考え方をご説明します。(所得税法第73条、所得税法施行令第207条)

①医師等による診療又は治療の対価

②治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価 など

より詳しい内容は国税庁のホームページをご覧ください。

(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm)

新型コロナウイルス感染症と医療費控除

マスク購入費用

新型コロナウイルス感染症を予防するために例年よりもマスクの購入量が多かったと思います。春先には店頭からマスクが消え、転売されているなど非常に話題になったかと思います。

現在では必要不可欠となったマスクですが、使用目的が病気の感染予防であるため、①、②のいずれの費用にも該当しません。すなわち、医療費控除の対象とはなりません。

PCR検査費用

(1)医師等の判断によりPCR検査を受けた場合
 →医療費控除の対象となります(陰性の場合も対象となります)。

ただし、医療費控除の対象となる金額は、自己負担部分に限るため、公費負担により行われる部分の金額は医療費控除の対象とはならないことにご注意ください。

(2)自己の判断によりPCR検査を受けた場合
 →医療費控除の対象となりません。

感染してないことを明らかにすることが目的のため、医療費控除の対象となりません。

ただし検査の結果、「陽性」であることが判明し治療を行った(陽性+治療)場合には、その検査は、治療に先立って行われる診療と同様に考えることができるため①の費用に該当します。すなわち、医療費控除の対象となります。

オンライン診療にかかる諸費用

新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、オンライン診療が普及されつつあります。

オンライン診療とは、医師のよる診療が自宅で受けられ、医師によって処方される医薬品は自身が希望した薬局に処方箋情報が送られ、薬局から自宅へ配送できる仕組みとなっています。

オンライン診療では対面診療では発生しない費用があります。具体的には、以下のものがあげられます。

・オンライン診療料          ・オンラインシステム利用料

・処方された医薬品の購入費用     ・処方された医薬品の配送料 など

上記の費用は医療費控除の対象となるのでしょうか。

(1)オンライン診療料

医師等による診療や治療のために支払った費用のため、医療費控除の対象となります。

(2)オンラインシステム利用料

医師等による診療や治療を受けるために支払ったオンラインシステム利用料は、オンライン診療に必要な経費と認められるため、医療費控除の対象となります。

(3)処方された医薬品の購入費用

治療や療養に必要な医薬品の購入費用であるため、医療費控除の対象となります。

(4)処方された医薬品の配送料

医薬品の配送料は、治療又は療養に必要な医薬品の購入費用に該当しないため、医療費控除の対象とはなりません。

今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大後、初めての確定申告であるため税務上の取扱い等に混乱が生じることが予想されます。

確定申告のご相談やより詳しい情報をお求めの際はTOMAまでお問合せ下さい。

https://toma.co.jp/service/hieiri/hospital/

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