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学校法人・宗教法人に対する固定資産税について

記事作成日2020/12/25 最終更新日2022/03/23

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今回は学校法人・宗教法人の固定資産税の特例についてご紹介していきたいと思います。
そもそも固定資産税とは通常、土地・家屋・償却資産を所有している者に対し、課税されるものですが、学校法人・宗教法人の場合はこれらを所有していても非課税とされる特例がございます。

宗教法人に対する特例

宗教法人が専らその本来の用に供する境内建物および境内地については非課税とされます。
具体的には、
・境内建物→本殿、拝殿、本堂、会堂、僧堂、僧院、信者修行所等や、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、信者を教化育成する目的に使われる建物
・境内地→境内建物の存する土地、参道として用いられる土地、儀式行事を行うために用いられる土地、庭園その他尊厳を又は風致を保持するために用いられる土地、歴史古記事等によって密接な縁故がある土地

などが挙げられます。

学校法人に対する特例

学校法人がその設置する学校において直接保育又は教育の用に供する固定資産については非課税とされます。
その他にも、
・寄宿舎で学校、専修学校に係るものにおいて直接その用に供するもの
・認定こども園の用に供する固定資産

なども非課税の対象に含まれます。

実例

しかし、上記の非課税の範囲に含まれるものとして処理していたものが、課税対象として固定資産税の賦課処分をされた例も多くありますので、注意が必要です。

例えば、宗教法人が、納骨堂として使用している土地及び建物に対し固定資産税の賦課処分をされた事例があります。

これは、外部の会社に対し販売業務を委託し広く募集が行われていたことや、納骨堂利用者の宗旨宗派を問わないことから、非課税の対象となる境内地には該当しないと判断されたことによるものです。
このように、宗教団体の主たる目的である教義を広めること以外の使用が行われている場合には、非課税の対象外となり課税されることとなってしまいます。

他にも、保険医療福祉に関する学校を設置している学校法人が、建築中の病院の土地に対し固定資産税の賦課処分をされた事例もございます。

学校法人側では、将来教育の用に供することが客観的に明らかな固定資産も含むべきだと主張しましたが、固定資産税の賦課期日においては直接教育の用に供する固定資産には該当していないものとされ、賦課処分がされました。

宗教法人、学校法人に対しては税金が優遇される特例がいくつかございますが、上記の例のように非課税の対象外と判定されてしまうと、加算税等も含めた税金を支払うこととなってしまいます。
そうならないためにも専門家に意見を聞くなど、慎重な判断も大切です。
ぜひ、TOMA税理士法人にご相談ください。

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