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ドラッカーに学ぶ非営利組織の戦略

記事作成日2018/10/10 最終更新日2018/10/10

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非営利組織の経営

P.F.ドラッカーの著書の中に、『ドラッカー名著集4 非営利組織の経営』(2007)(上田惇生訳ダイヤモンド社)があります。ここで述べられていることのうち、非営利組織の「ミッション」、「資金源開拓の重要性」、「人の育成・トレーニング」につき簡単にご紹介します。

◆ミッション
ドラッカーは、非営利組織はミッションのために存在する。そして、ミッションはとるべき行動を導き出しうる「行動本位」なものでなければならないとしています。また、ミッションは、社会の変化とともに繰り返し見直しを図る必要性があることを主張しています。

◆資金源開拓
非営利組織の資金源は、大義に共鳴する人たちからの募金です。しかし、ドラッカーは非営利組織が募金に追われていたのではミッションを募金に従属させることになり、存在意義さえ危ういとし、そのようなことのないよう、資金源開拓のための戦略を必要とするとしています。ドラッカーは、非営利組織の資金源開拓の戦略とは、寄付者を顧客とみなし、その顧客の潜在的なニーズを顕在化させ、自分たちが提供できる成果を提示し、必要性を認めさせることとしています。

◆人のトレーニング
ドラッカーはトレーニングによって身につけさせるべきものは、態度ではなく行動であるとしています。成果をあげるには「これが行わなければならないことである」というように、行動に関するトレーニングを行わなければならないとしているのです。人のトレーニングは、ミッションを成果に結びつける戦略の一つとして捉えられます。

終わりに

非営利組織にお勤めの方も、非営利組織に寄付をされている皆様も、非営利組織の経営を考える機会は少ないのではないでしょうか。
非営利組織の社会的なニーズ、欲求、期待が高まる潮流の中、皆様の属する非営利組織では成果をあげる体制は整っているでしょうか。
まずは、自分の属する非営利組織のミッションが自分の単なる意図に終わっていないか、資金不足に嘆きつつ、ただ待つだけの体制になっていないか、態度ばかりのトレーニングで、ミッションを達成し成果をあげるための行動のトレーニングについては未着手の状態ではないか、この機会に見直してみてはいかがでしょうか。


★TOMAの公益・非営利法人向けサービス →  https://toma.co.jp/service/hieiri/founding-plan.html

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