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適格請求書等保存方式(インボイス制度)の導入について

記事作成日2020/11/17 最終更新日2021/10/11

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消費税増税に伴い、軽減税率が導入されました。現在は、商品の仕入れや販売に関して、複数の税率が運用されています。そのため、取引における消費税額を正確に把握する仕組みが必要となりました。今回ご説明する適格請求書等保存方式(インボイス制度)は、複数税率に対応した制度となっており、課税事業者、免税事業者問わず、理解しておくべき内容となっています。

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>>インボイス制度をわかりやすく解説!導入について対策と注意点を紹介【実務対応チェックリスト付】

適格請求書等保存方式の概要

現在、仕入税額控除の適用を受けるためには、税率(10%、8%)ごとに区分して合計した税込対価の額を記載した請求書及び取引内容に軽減税率の対象である旨を記載した帳簿の両方を保存しておく必要があります。これを、区分記載請求書等保存方式といいます。

適格請求書等保存方式とは、適用税率や税率ごとの消費税額など、従来の区分記載請求書等保存方式よりもさらに詳しく記載した請求書(適格請求書)を保存する方法です。

今回の制度変更により、仕入税額控除の適用を受けるためには適格請求書の保存が必要です。そのため、取引をする際は、適格請求書の受取り、発行という作業が発生します。適格請求書を発行する場合は、税務署に対して事前に申請書を提出し、適格請求書発行事業者となる必要があります。

免税事業者への影響

先述の通り、適格請求書発行事業者になるには、税務署に登録申請書の提出をする必要があります。この登録申請書は、課税事業者でなければ申請することができません。つまり、現在免税事業者の場合、課税事業者の選択をした上で、申請書を提出することになります。

令和5年10月以降は、適格請求書の発行がない取引に関しては、仕入税額控除の対象になりませんので、注意が必要です。

また、登録申請書の受付が令和3年10月1日より開始され、令和5年10月1日から登録を受けるためには、令和5年3月までに登録申請書を申請する必要があります。現在免税事業者の場合は、課税事業者の選択を含め、事前にしっかりと準備をしておきましょう。

適格請求書の記載事項

適格請求書に記載する内容についてご説明します。記載内容としては以下となります。

1.適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
2.取引年月日
3.取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
4.税率ごとに区分して合計した対価の額及び適用税率
5.税率ごとに区分した消費税額等
6.書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

区分請求書の記載内容に加えて、1の適格請求書発行事業者の登録番号、4の適用税率、5の税率ごとに区分した消費税額等の記載が新たに追加されました。■インボイス制度(適格請求書等保存方式)についての解説ブログ■
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インボイス制度についてのまとめ

今回は、令和5年10月より導入される適格請求書等保存方式についてご説明しました。導入されるのはまだ先の話ですが、免税事業者でも、適格請求書の発行が必要となる場合は、事前準備がとても重要になりますので、ぜひ、慎重にご検討してみてはいかがでしょうか。

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