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加算税制度の見直しについて

記事作成日2016/06/14 最終更新日2016/07/08

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国税について申告した税額が過少であった場合、又は申告期限を過ぎて申告した場合には「加算税(ペナルティ)」が課されることとなっています。平成28年度の税制改正においてその加算税制度についての見直しがありました。

◆従来の制度概要

従来の加算税制度では、税務調査の通知後、更正を予知する前に提出した申告書に自ら誤りがあったことに気付き自主的に修正申告等をした場合には過少申告加算税は「0%」、無申告加算税は「5%」が課されることになっていました。

◆新たな制度概要

平成28年度の税制改正では、加算税が課されるタイミング及び加算税率について見直しが行われました。
見直し内容は、(1)税務調査通知後における更正予知前の自主的な修正申告等であった場合にも過少申告加算税が課されるようになったこと、(2)加算税率が上がったこと、が挙げられます。

(表:加算税率の比較)

内容 改正前 改正後(H29.1.1以後申告期限分)
過少申告加算税 0%   5% (うち50万円超部分:10)
無申告加算税 5% 10% (うち50万円超部分:15)

◆過少申告加算税の計算例

当初申告法人税額100万円、修正申告法人税額200万円の場合の加算税は以下のようになります。

計算例:

・200万円-100万円=100万円
・(100万円-50万円)×5%+(100万円-50万円) ×10%=75,000

100万円の申告額の誤りにより、この75,000円が過少申告加算税として徴収されることとなります。
なお、この新たな加算税制度は平成29年1月1日以後の申告期限分について適用されます。

 

◆加算税を徴収されることによる損失

加算税はいわゆる罰金のような性格の税金です。「罰金を支払って完了」だけでは済まず、その他にも大きなデメリットがあります。法人税においては損金の額に算入できず、個人においては必要経費にはできないのです。
支出を伴い、かつ税金の計算上費用にすることができないため、単なる金銭の流出のみならず所得が増加してしまうことになります。ミスのない申告を心がけましょう。

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