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【税務コラム】永年勤続者に対する表彰記念品の課税の判定について

記事作成日2018/08/13 最終更新日2021/10/13

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今回の税務・会計ブログは“永年勤続者に対する表彰記念品の課否判定”についてです。多くの会社で、役員又は従業員の永年勤続表彰として記念品の支給・旅行等へ招待が一般的に行われています。その支給等について、ある一定の要件を全て満たす場合は所得税を課税しないこととされています。

具体的に記念品ごとに課税対象になるのかどうか、注意点などを解説いたします。

永年勤続者に対する記念品が課税されない要件

所得税基本通達36-21《課税しない経済的利益・・・永年勤続者の記念品等》

使用者が永年勤続した役員又は使用人の表彰に当たり、その記念として旅行、観劇等に招待し、又は記念品(現物に代えて支給する金銭は含まない。)を支給することにより当該役員又は使用人が受ける利益で、次に掲げる要件のいずれにも該当するものについては、課税しなくて差し支えない。

■当該利益の額が、当該役員又は使用人の勤続期間等に照らし、社会通念上相当と認められること。

■当該表彰が、おおむね10年以上の勤務年数の者を対象とし、かつ、2回以上表彰を受ける者については、おおむね5年以上の間隔をおいて行われるものであること。

上記はあくまでも「記念品の支給」、「旅行・観劇への招待」が対象であって、一見要件を満たしているような下記の例については課税上の取扱いに注意が必要です。

旅行券の支給

旅行券は一般的に有効期限がなく換金性もあり、実質的に金銭を支給したことと同様になるため、原則として給与等として課税されます。ただし、下記の場合は場合は会社へ返却等の要件を満たす場合は課税しなくて差し支えありません。

(1)旅行券支給後1年以内に旅行を実施
(2)旅行の実施を会社へ報告
(3)旅行券を使用しなかった

カタログギフト

記念品とする品物を自由に選択できるとすれば、会社から支給された金銭でその品物を購入した場合と同様の効果をもたらすものと考えられるため、課税されます。ただし、万年筆等極めて限られた範囲で選択できる記念品は課税しなくて差し支えありません。

現金、商品券、株券

換価が容易で、現物に代えて支給する金銭と同様と認められるため、給与として課税されます。

永年勤続記念品等の税務リスクを回避する方法とは?

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