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【税務コラム】 役員給与について

記事作成日2017/07/13 最終更新日2017/07/13

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この度、皆様にブログを通じてより税法を身近に感じていただくことをモットーに、隔週で更新してまいります!

記念すべき第1回目の今回は、役員に対する給与(役員報酬)の範囲とそれぞれが損金として認められる要件について確認していきます。

法人税法上、役員に対する給与で損金算入を認めるものとして、定期同額給与、事前確定届出給与及び、業績連動給与の3つを規定しています。

 

【定期同額給与とは?】

その支給時期が1月以下の一定の期間ごとである給与で、当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものをいいます。

報酬が毎月支払われ、かつ、その報酬金額が同額であることが求められます。役員報酬の金額については株主総会の決議で決定されます。

また平成29年度の税制改正で、損金算入が認められる定期同額給与の範囲が拡大されました。現行は、支給する給与の「額面」が同額でなければ定期同額給与と認められず、損金算入することができませんでしたが、改正により「手取り」の金額が同額であれば、定期同額給与に該当することになりました。

外国人を役員としている会社では、手取保証を行っている場合もあるため、恩恵を受けることになりますね。

 

【事前確定届出給与とは?】

その役員の職務につき、所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与で、定期同額給与及び業績連動給与を除くものをいいます。

簡単に言えば、役員に対する賞与です。当該賞与が損金として認められるためには次の要件を満たす必要があります。

  1. 当該賞与の支給金額及び支給時期について、原則として株主総会において定めた上で、その内容を所轄税務署へ提出すること
  2. その提出した届出書通りの支給日に記載金額を支払うこと

 

なお、この届出には提出期限が設けられており、次の日のうちいずれか早い日とされています。

・株主総会等の決議をした日から1ヶ月以内

・会計期間開始の日(事業年度開始の日)から4ヶ月以内

 

【業績連動給与とは?】

この業績連動給与は平成29年度税制改正で改正された給与です。

内国法人(同族会社については非同族法人の完全子会社に限る)が、一定の要件のもとでその業務執行役員に対して支給する業績連動給与(利益の状況を示す指標及び株式の市場価格の状況を示す指標等を基礎として算定される給与)をいいます。

「利益の状況を示す指標及び株式の市場価格の状況を示す指標等」は有価証券報告書に記載されているものです。改正により同族会社であっても、例えば(非同族法人に該当する)上場会社である持株会社の傘下の完全子会社等が支給する給与について、損金算入が認められることになりました。

 

上記の3つが役員に対する給与のうち損金として認められる給与です。役員報酬を適正に損金として処理し、税務調査で否認されるリスクを回避しましょう。また税務署へ提出する届出の期限など細かな規定があり、手続きをしなかったために損金として認められないケースも少なくありません。早めの手続きを心がけましょう。また上記に関する相談がある場合にはお気軽にTOMA税理士法人へご相談ください。

[小冊子01:賢い書面添付]

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