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非上場株式等についての贈与税の納税猶予制度

記事作成日2017/11/14 最終更新日2020/05/28

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業績が好調な優良企業ほど株価が高くなる傾向にあり、相続や贈与の際に後継者は多額な納税負担を強いられることがあります。そのための対策として、贈与税の納税猶予制度があります。この制度を活用することにより納税を猶予・免除することが可能となります。

◆贈与税の納税猶予制度とは

贈与税の納税猶予制度とは、現経営者からの贈与により、後継者が取得した自社株式にかかる贈与税の全額の納税が猶予されます(納税猶予の対象となる株式は、後継者が贈与以前にすでに保有していた分も含めて発行済議決権株式総数の3 分の2 までの部分となります)。

◆納税猶予制度を受けるための要件

納税猶予制度を利用するためには、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づき、会社が都道府県知事の認定を受ける必要があります。
納税猶予を適用するための主な要件は下記の通りです。
(1)会社要件
中小企業であること(上場会社、資産管理会社、風俗営業会社に該当しないこと)
(2)経営者要件
会社の代表者であったこと等
(3)後継者要件
贈与の3 年前から引き続き、役員に就任していること
平成29 年1 月1 日以降後継者は、子や親族に限らず、親族外でも適用することができるようになりました。
(4)雇用継続維持要件
雇用の8 割以上を5 年間平均で維持すること等

要件を満たせなくなった場合には、猶予された金額の全部または一部の納付が必要となるため注意が必要です。相続時精算課税制度との併用が認められるようになったことから、万が一贈与税の納税猶予が取り消された場合であっても、相続税よりも高額な贈与税を納めなくてもよくなりました。制度適用のハードルが下がったともいえます。
非上場株式についての贈与税の納税猶予制度を活用することにより、事業承継を円滑に行うことが可能となります。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

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