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小規模宅地等の特例で 間違えやすい論点とは?

記事作成日2020/05/12 最終更新日2020/05/12

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平成25年度税制改正で相続税を申告する対象者が増えました。一方で、相続税の計算の際、一定の土地の評価額が50%または80%下がる「小規模宅地等の特例」が受けられれば、相続税の負担はかなり少なくなります。
今回はこの「小規模宅地等の特例」、特に被相続人が自宅として使用していた土地(特定居住用宅地等)について、間違えやすい論点をまとめました。

配偶者は要件なしで適用可能

配偶者が被相続人の自宅の土地を相続した場合、他の相続人等にはある、相続開始時から相続税申告期限までの「所有要件」「居住要件」がありません。
相続税の負担が大きく納税が厳しい場合、一旦配偶者に自宅を相続させ、一次相続の相続税を抑えるのも一つの方法です。

生前贈与による取得は対象外

特例の条文では「個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに・・・」となっているため、生前に贈与で取得した土地については小規模宅地等の特例の対象外となります。
これは通常の暦年贈与だけでなく、2,500万円までの贈与財産について贈与税が非課税となる「相続時精算課税」による贈与も同様です。

生前の相続対策で自宅の土地を贈与したことにより特例が使えず、思わぬ相続税がかかってしまうことがあるため注意が必要です。

そもそも「被相続人の自宅」だったのか?

要件の一つである「被相続人の自宅として使用していたかどうか」は、被相続人がその土地の上にある建物に生活の拠点があったかどうかにより判定されます。そのため、次の1~3のような建物は、たとえ被相続人が住んでいた事実があっても特例の適用は難しいと考えます。


1.建て替え中の仮住まいの建物

2.他に生活の拠点となる建物があるにも関わらず、小規模宅地等の特例を受けるための目的のみで住んでいる建物

3.主に趣味や娯楽、保養目的の建物

小規模宅地等の特例も近年大幅な改正が入り、要件がかなり複雑になってきています。また、事業で使用していた土地は別に要件が定められています。
将来の相続の際、小規模宅地等の特例が受けられるかどうか、事前に税理士に相談することをおすすめします。

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