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取締役の報酬等 ~ 押さえておくべき3 つのポイント~

記事作成日2017/02/10 最終更新日2023/01/18

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会社の成長のためには、取締役の能力発揮が重要です。取締役のモチベーションを向上させるには透明性の高い報酬規程を整備することが不可欠です。3 月13 日(月)開催予定の「鉄壁★役員報酬規程策定セミナー」では、会社を成長に導く、戦略的な報酬規程の策定について解説致します。

今回はセミナーに先駆けて、取締役の報酬について押さえておくべき会社法上のポイントについて解説します(なお、取締役会・監査役設置会社の場合を想定しています)。

「取締役の報酬等」押さえておくべき3 つのポイント

1.報酬等の種類(職務執行に対する対価)

2. 支給及び金額の決定は、「定款」又は「株主総会決議」が原則

3.一方的な減額は許されない

(1)報酬等の種類(職務執行に対する対価)

毎月支払われる通常の報酬以外に、「賞与」、「退職慰労金」、「死亡弔慰金」などがあります。会社法はこれらを「報酬等」(361 条)として同一の規制の下に置いています。どのような種類の報酬等を支払うかについては会社の自由です。近時、「退職慰労金」を廃止する会社が増えているといわれています。

(2)支給及び金額の決定は、「定款」又は「株主総会決議」が原則

会社法では、報酬等の支給及びその金額は、定款又は株主総会で定めることとされています(361 条1 項)。取締役自身の決定によるお手盛りの弊害防止が目的です。

ただし、株主総会において取締役の個別の報酬等の金額が明らかになることを避けるため、株主総会では取締役全員分の報酬等の総額や上限額を決議し、各取締役への配分は取締役会や代表取締役の決定に委ねることが判例上認められています。

(3)一方的な減額は許されない

株主総会(又は取締役会)で具体的な金額が定められ、取締役がその条件を受け入れると、会社と取締役の間で「報酬契約」が成立し、任期中はその内容に拘束されます。したがって、任期中は株主総会の決議によっても、報酬等の金額を一方的に減額又は不支給とすることはできません。業績悪化や不祥事への対応として減額を行う場合には、報酬を減額される取締役の同意が必要です。

TOMA 行政書士法人では、取締役に関わる規程、議事録等の作成についてのコンサルティングを行っております。

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