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一般社団法人の特徴

記事作成日2018/11/21 最終更新日2019/05/20

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一般社団法人は「非営利法人」

一般社団法人とは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいた法人ですが、「人」が集まった組織体で、営利を目的としない「非営利法人」であることが特徴です。

ここでいう「非営利法人」の「非営利」は、団体や会社が利益を上げても、利益を関係者に分配することをしないことを意味します。

「非営利」といっても従業員がいるため、まったく利益を上げないという訳ではありません。「株式会社」は株主に対して利益を分配することが組織としての使命であるため、利益を得ることが大切ですが、「社団法人」では利益が出ても組織の外に分配することはありません。

「社団法人」では利益が組織の外に分配されないだけで、利益を出すことも、役員や従業員の報酬や給与も支払うこともできます。

また、一般社団法人は適法であれば、事業に制限なく、不特定多数でなく、ある特定の人達への利益となる事業でも行うことができます。

一般社団法人のメリット

このような特徴から、一般社団法人は無料で行う公益事業に限らず、同窓会や○○学会、○○協会など、法人格を持って幅広い事業活動を行うことができるので、現在は6,000法人を超えているとも言われ(東京商工リサーチ調査)、公益法人制度改革以降、ずっと増加しており、今後も法人数が増える見込みです。

その主な理由は、団体の公益性や事業目的が問われないことと、2名以上が集まり、登記手続きをするだけで設立することができることです。そもそも一般社団法人には「資本金」という概念がないため、出資が必要条件になっておらず、財産保有などの面倒な手続きがないことも大きな理由となっています。これらの点を考えると、株式会社設立よりも簡便な手続きで設立することができ、低予算の団体運営がしやすいとも言えます。

一般社団法人の運営について

このように 一般社団法人は出資の概念がない法人ですが、独自の資金調達方法として「基金」制度を用いる方法と、「会員」の制度を設けて入会金や会費を原資として運営する方法があります。

「基金」は、社員や社員以外から法人の責任財産となる財産を拠出してもらい、法人の基本財産とします。この「基金」として集められた金銭などには法令上、使途用途に制限がないため、法人の活動原資として自由に使うことができますが、出資とは異なり、一定の要件や合意のもとに返還義務を負います。

この基金制度は、必ず必要という訳ではなく、安定的な運営をするために採用してもよいもので、多くの一般社団法人は「会員」の制度を設けて、会員から会費を募って運営しています。

この会員制を導入して、会員から入会金や会費を法人の活動原資としている法人は、会員に共通する利益を図るための「共益的活動」を行います。例えば、医学系や医療系の学会、資格認定の協会、同窓会など、会員となった者に限定した活動で、会員はこれらの共益的活動のために会費を納入します。

一般社団法人の特徴やメリットのまとめ

◎公益性は問わず、幅広い事業を行うことができる
◎2名以上で、登記手続きだけで設立することができる
◎設立の際に出資不要で、財産保有もない
◎基金や会費を事業活動原資として利用できる

一般社団法人の特徴やメリットを上手に活かして、必要に応じて一般社団法人化して活動を行うことが賢い制度利用と言えるでしょう。

当グループでは一般社団法人設立サービスも設立後の運営サポートやコンサルティングも行っております。是非、お気軽にご相談ください。

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