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業績を伸ばすために「物語」をつくる

記事作成日2016/11/30 最終更新日2017/02/17

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業績が伸び悩んでいるお客様から「計画は立てているけれど、なかなか実現しない」という言葉をよく聞きます。

そんなとき、お客様の経営計画書や予算表を拝見すると、「数値」と「活動」が一致していないケースをよく目にします。

例えばこのようなことです。
数値面・・・売上や利益などの数値は挑戦的な数値(昨年対比130%)、経常利益は過去出したことない数値もしくは全盛期の数値。

活動面・・・理想的なこと、誰が見ても当たり前のこと(凡事徹底的なこと)、他社の成功していること、よく本に書かれていること。

おおよそこのパターンが多いです。これらを発信しているのは、経営者もしくは幹部であることが多いようです。

現場で活動する従業員が見たらどう思うか・・・

おそらく「お題目」もしくは「絵に描いた餅」と思うのでしょう。
結果として、何ヶ月、何年たっても実現されることはありません。

では、どう改善していけばいいのか。
数値面は何%アップしたとしても問題はないと思います。数値面で重要なことは、その掲げた数値をいつまでに達成するのかという時間軸を適正に入れればいいのです。なぜなら、とるべき手段は無限大にあるからです(売上だけで言えば財力さえあえれば会社を買うことも可能です)。

改善するためには活動面を見直す必要があるのではないでしょうか。
自社に合った活動を定めるためには、やはり数値が大切です。現状と目標との距離感をつかむ為、もっともわかりやすいのが数値です。距離を把握した後は、どのようにして距離を縮めるかを考える必要があります。

例えば目的地にたどり着くには、どのくらいの体力が必要か(SWOT分析などで把握)を知り、安全かつ効率的にたどり着くためにはどのようなことを行えばいいのか(STPなどで決定する)を考えていく。そして、目的地までを4つに分解して、途中の通過点の到達条件を決めておきます(ラップタイムのようなイメージ)。
つまり、数値と活動はつなげて考えていくことが大切なのです。

では、数値や活動について、誰が考えるべきか。
数値は経営者が考えるべきです。現場に任せると成り行きで考えてしまうケースが多いことが、その理由です。数値は、目標に対する難易度がイメージしやすいため、現実的な数値になりやすいのです。

数値は経営者が設定し、活動はそのほかの人が考える。
そうすると、どのようにしていこうか考え、考える過程で取り組むべき順番を決めることができる。それらをまとめていくと、数値の達成を可能にする「物語」が出来上がるのではないでしょうう。

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