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中小企業基盤整備機構のファンド出資について

記事作成日2017/02/28 最終更新日2017/02/28

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前回に引き続きまして、中小企業が出資を受ける直接金融についてご説明したいと思います。中小企業が民間のベンチャーキャピタル(VC)やファンド、エンジェル(個人投資家)から出資を受けることは非常にハードルが高いです。しかしながら国の政策実施機関(中小企業投資育成株式会社など)からの出資となれば、若干ハードルは下がります。
今回は、中小企業基盤整備機構が出資をしているファンドについてご説明します。

中小企業基盤整備機構とは?

中小企業基盤整備機構(以下:中小機構)は、独立行政法人であり日本を支える中小企業を国と一緒にサポートする機関です。国の施策に沿ったセミナーや経営相談、共済運営(小規模企業共済、倒産防止共済)などを行っている機関です。
http://www.smrj.go.jp/

中小企業基盤整備機構のファンド出資について

中小機構は中小企業に対して直接的に投資をしません。投資事業を行う民間機関等とともに投資ファンドを組成し、中小企業の資金調達の円滑化と踏み込んだ経営支援(ハンズオン支援)を通じて、ベンチャー企業や既存中小企業の新事業展開の促進または、中小企業の再生等を支援しています。ファンドの運営(個別企業への投資等)は、各投資会社が行っています。

ファンドの種類について

・起業支援ファンド
創業又は、成長初期の段階にある中小企業を資金面及び経営面から支援します。

・中小企業成長支援ファンド
新事業展開、転業、事業再編、承継等により新たな成長・発展を目指す中小企業を支援します。

・中小企業再生ファンド
過剰債務等により経営状況が悪化しているものの、本業には相応の収益力があり、財務リストラや事業再構築により、再生が可能な中小企業を支援します。

ファンドの検索について

中小機構のHPでは、様々な検索条件で自社に合ったファンドを探すことができるサービスを提供しています。検索条件を入力することで、自社の条件にあるファンドを検索することが出来ますので、利用してみてはいかがでしょうか。
出資を受けるにはファンドにより様々な条件等がありますので、必ず事前に確認をしてださい。

出資をする側の判断基準は、(1)経営チームの優秀さや安定度、(2)今後見込まれる市場性、(3)差別化のポイント(競争優位性)、(4)出口戦略といわれています。出資を受けることをご検討されている会社は、この4つの視点から自社を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

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