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M&A後の弊害と対策

記事作成日2017/01/16 最終更新日2017/01/16

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◆M&Aの弊害

 経営者はM&Aを行うことで、シナジー効果を狙った企業戦略を期待しています。しかし買い手側、売り手側それぞれが別の企業文化を持った会社であるため、M&Aの効果を期待したにもかかわらず、上手く、その効果を発揮できずに苦しむ企業が多いのも実情としてあります。

◆買い手企業のデメリット

 まず、買い手側のデメリットとしては、お互いに異なった社風や考え方を持った従業員が同じ職場環境で一緒に働くため、売り手側の社風や考え方を理解することに時間を要します。

 また、売り手側の有能な人材との出世競争が発生し、評価の面で公平性を保つことが必要になります。

◆売り手企業のデメリット

 買い手側のデメリットと同じく、社風や待遇、考え方を理解した上で業務に従事します。重複している部署に関しては、売り手側の中で、重要な人材のみを残す人員整理が行われるため、雇用に対する不安や戸惑いが発生します。

 経営者、上司が変わることで、考え方や仕事のやり方さえもガラリと変わる可能性があり、M&A後に辞めてしまう従業員も出てきます。

◆弊害への対策

 このように、M&A後に対応すべき課題は、山積しております。

 細かい実務レベルでは、承認ルートが多い会社と簡素な会社、電子承認が主流の会社と紙での承認が多い会社、詳細な書式を使う会社と簡素な書式を使う会社といった様に、書類・承認一つ取ってもやり方が異なります。このような小さい部分の違いから従業員はストレスを感じ、M&Aのメリットを享受できないと感じることがあります。

 経営者はM&A後の自社の方針やビジョンをよく説明し、従業員の不安を緩和することが重要です。

 全く同じ会社はこの世に存在しません。異なる文化、スタイルを持つ会社が一つになることで、あらゆる可能性が広がることがM&Aの魅力です。パズルのピースを嵌めていくように、じっくりと企業内部を統合していくことが大切です。

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