中小企業のためのグループ経営戦略～一般的なM&Aの流れ(買い手)

記事作成日2018/05/02 最終更新日2018/05/21

３月９日の投稿で、Ｍ&Ａにおけるデューデリジェンスの重要性と種類について記載しました。
今回は、デューデリジェンスの位置づけを分かりやすくするため一般的なＭ&Ａの流れについて記載します。

Ｍ&Ａ戦略とは、買収対象とする事業分野を決めることをいいます。その前提となるのは買い手企業の経営戦略です。買い手企業は経営戦略に基づいて企業を買収しなければＭ&Ａは成功させることはできないため、最も重要なステップといえます。

ＦＡの役割は、以下のＭ&Ａの流れの全体に関与してＭ&Ａの案件をリードすることです。
言い換えるとＦＡによってＭ&Ａ案件の成否が左右されるので、慎重に選定する必要があります。

現在Ｍ&Ａ市場は売り手市場なので、金融機関などからの案件を待っているだけではＭ&Ａは成功できません。自ら買収を仕掛ける「指名買い」が必要です。

ターゲット企業へアプローチするには、買い手企業が直接アプローチする方法や、金融機関などを通じてアプローチする方法など色々な方法がありますが、このなかで最も効果的なアプローチを検討します。

ターゲット企業にアプローチ後は、基礎的な情報を提供してもらい初期的調査を行います。

初期的調査の結果を踏まえて、買収金額を決める基礎となる企業価値算定を行います。

Ｍ&Ａは、株式譲渡、事業譲渡、株式交換などさまざまスキームがあり、自社の経営戦略に適合した最適なスキームを策定しましょう。

この段階の交渉は、大まかな買収金額や買収に当たっての条件を提示して、買い手企業として意向表明を行います。

基本合意は法的義務を負うものではありませんが、買収を行ううえで重要な条件面の合意が図られること、排他的な交渉権が買い手に与えられることで交渉が進めやすくなります。

基本合意後に本格的なＤＤを実施します。３月９日のブログでも記載しましたので割愛します。

ＤＤ(詳細調査)が終わると、いよいよ契約締結に向けた交渉が始まります。ＤＤで検出されたリスクへの対応や、基本合意の段階では詰めきれなかった詳細な買収の条件面での詳細が交渉での主要な論点となります。

交渉の結果全ての条件が合意に至ると、Ｍ&Ａの最終契約が行われます。
この最終契約を締結すると買い手も売り手もＭ&Ａを実行しなければならない法的義務を負うことになります。
クロージングでは、買収スキームが株式譲渡の場合には、株主名簿の書き換えや株式代金の決済などのＭ&Ａの実行手続きを行います。

これがＭ&Ａの基本的な流れです。
次回のブログからは、このＭ&Ａの流れの各手続きを具体的に見てみようと思います。

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