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ホールディングカンパニー(HD)におけるグループ経営~経営管理~

記事作成日2016/08/05 最終更新日2021/07/19

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ホールディングカンパニー(以下、HDとする)が設立されると、HDにおける経営者は、企業グループ全体の経営管理を行うことになります。

◆関係会社間の管理規定の制定

子会社の経営活動について、親会社、子会社間での管理規定を作り、親会社で承認が必要な事項(取締役の選任、利益処分など)や、子会社が親会社に報告すべき事項(財務報告など)を決める必要があります。

◆子会社の計数管理

子会社の経営、財務報告書により以下の3つの観点から内部分析を行い、支援措置を講じたり、軌道修正を行うことが出来ます。

(1)業績管理:損益計算書から経営活動が順調かROEなどの指標を用いて分析します。
(2)キャッシュフローの管理:キャッシュフロー計算書から、営業活動、投資活動、財務活動にわけて分析します。
(3)財政状態の管理:貸借対照表から、各資産の流動性や回転率など財務健全性を確認します。

◆子会社の業績評価

子会社の業績評価には、純利益/株主資本で計算されるROE(Return on Equity)が最も優れた指標といわれています。なぜ最も優れた指標かは、ROEを以下の算式にすると分かります。

ROE=純利益/売上高(売上高純利益率)×売上高/総資産(総資産回転率)÷株主資本/総資産(株主資本比率)

ROEを上げるためには、利益率の向上や、資産効率の向上が課題となります。少ない資本で事業を運営する方がROEは高まりますが、安定性の観点からは株主資本比率が高い方が望ましいといえます。

◆企業グループの監査

監査役や会計監査人といった監査人は、法律により設置することを義務付けられています。
監査人は、計算書類・財務諸表の適正性を確かめる会計監査のみならず、業務遂行状況を監査する内部監査も行い、監査の過程で発見した内部統制上の問題点などを経営者に報告し、改善勧告を行います。

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