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監査役の役割~会計限定監査役の登記について~

記事作成日2017/05/12 最終更新日2020/01/21

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◆監査役とは

 監査役は、株式会社の株主総会で選任されます。監査役の役割は、取締役の職務の執行を監督することです。

会社法上、非公開会社かつ非大会社と、委員会設置会社を除いて、監査役は株式会社の常設機関です。

監査役は取締役と同様の欠格事由があるほか、その会社または子会社の取締役・会計参与・執行役・使用人を兼務することができません。

監査役と会社との関係は委任です。したがって、監査役は会社に対して善管注意義務を負います。

 

◆監査役の役割

 監査役の役割には、業務監査と会計監査があります。ただし、資本金の額が1億円以下・負債の総額が200億円未満の会社(小会社)で株式の全部に譲渡制限がある会社(非公開会社)は、監査役の権限を会計監査に限定することができます。

 

<業務監査について>

業務監査は、取締役の職務の執行が、法令・定款を遵守して行われているかどうかを監査することです。

<会計監査について>

会計監査は、定時株主総会に計算書類が提出される前に行われます。計算書類及びその附属明細書を監査することです。

◆会計限定監査役の登記

平成27年5月1日、改正会社法が施行されました。この法改正により、監査役の権限を会計監査に限定している会社は、監査役の監査の範囲を「会計に関するものに限定」する旨の登記をしなければならないことになりました。

会社の設立時期と登記添付書類

<平成18年4月30日以前に設立された株式会社>

小会社かつ非公開会社で、平成18年5月1日以降監査役の監査の範囲について定款変更をしていない場合、監査役の監査の範囲は会計監査に限定するものとみなされ、前述の登記が必要です。登記申請の際は、上申書を添付します。

<平成18年5月1日以降に設立された株式会社>

非公開会社のうち、監査役の監査の範囲を会計監査に限定する旨の定めを定款に規定している場合、前述の登記が必要です。登記申請の際は、定款を添付します。

監査役の辞任・変更の登記申請と監査の範囲の登記申請期限及び必要書類

平成27年5月1日以降、監査役の辞任又は再任の登記を申請する際、上記の登記を申請する必要があります。

必要書類は以下のとおりです。

・平成18年4月30日以前に設立された株式会社:上申書

・平成18年5月1日以降に設立された株式会社:定款又は監査役の権限を会計監査に限定する旨を決議した株主総会議事録

この登記がもれた場合は、登記懈怠となり、罰金が科される可能性があります。