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株式会社の減資手続きはどのようにして行うのか

記事作成日2018/09/19 最終更新日2023/06/26

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この記事では株式会社における減資手続きについて解説しています。また、TOMA行政書士法人では定期的にメールマガジン(無料)を配信しております。お気軽にご登録ください。申し込みはこちら。

減資の種類

減資(げんし)には、株主に対して出資金額を配当する有償減資と、欠損の填補などのための無償減資の2種類があります。

有償減資とは

有償減資(ゆうしょうげんし)とは、①資本金の減少と②それに伴って増加するその他資本剰余金を財源とする剰余金の配当という個別の手続きを合わせて行うことです。結果的に、株主に対して出資金額が配当されることになります。

無償減資とは

一方、無償減資(むしょうげんし)とは、資本金を資本準備金やその他資本剰余金に振り替える方法と、貸借対照表上の利益剰余金がマイナスになっている場合に、欠損の補填として資本金を充当するという方法があります。この無償減資をした場合には、株主に対して配当されることはありません。

また、注意しなければならないのは、減資の手続きは資本金を減少させるための手続きであるため、減資手続によって株式数が減少するということではないということです。会社法においては、「株式」と「資本」の関係は切り離されています。

もし、株式数も減少させたい場合は、株式併合あるいは自己株式の取得・消却という手続きを合わせて行う必要があります。

減資の決議要件

減資は、株主への影響が大きいため、原則として株主総会の特別決議が必要となります(会社法447条1項、309条2項)。この株主総会では、以下の事項を決定する必要があります(会社法447条1項)

・減少する資本金の額
・減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額
・資本金の額の減少が効力を生ずる日

例外的に以下の2つの場合には、株主総会の特別決議によらずに資本金を減少することができます。

(1)株式の発行と同時に資本金の額を減少させる場合に、効力発生日後の資本金の額が効力発生日前の資本金の額を下回らないとき
→取締役会設置会社では取締役会決議、取締役会を置かない会社では取締役の決定

(2)定時株主総会で欠損填補に充てる場合(減少する資本金が、定時株主総会における欠損の額を超えない場合)
→株主総会の普通決議

債権者保護手続き

減資をする時には、原則として債権者保護手続きをしなければなりません(一定の例外あり449条1項但し書き)。

債権者保護手続きとして、官報での公告と債権者への個別催告を行います。なお、電子公告や日刊紙への掲載など、官報掲載以外の公告方法を定めている株式会社の場合は、官報での公告のほかに電子公告や日刊紙での公告をすることによって、債権者への個別催告を省略することができます。

この債権者保護手続きでは、債権者が異議を述べることが出来る期間を1か月以上設けなければならないとされており、減資の手続きは必ず1か月以上の期間を要することになるので注意が必要です。

効力発生時期

資本金の額の減少の効力発生時期は、株主総会の決議等で定められた効力発生日が原則ですが、その日までに債権者保護手続が終了していない場合は、債権者保護手続が終了したときに効力が生じます。(会449条6項)

登記申請

資本金の額の減少の効力発生日から2週間以内に、管轄する法務局へ変更登記申請を行います。

今後を見据えた資本金の額の検討を

現在、コロナ関連で発表されている補助金のうち、事業再構築補助金を検討されている事業者の方が多く、現在の資本金額では補助金を受給できないというご相談も多々あります。また、今回の補助金の受給だけの話ではなく、税制の優遇や、さらに先を見据えて資本金の額の減少を検討されてみてはいかがでしょうか。

TOMAコンサルタンツグループでは、減資手続きについて、税務・会計と連携し、ワンストップで対応しております。ご興味ある方は、是非お問い合わせください。サービスはこちらよりご覧いただけます。