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株主総会と取締役会の決議事項の違い

記事作成日2017/05/12 最終更新日2023/03/13

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今回は、株主総会の決議事項と取締役会の決議事項についてご案内します。次のような決定をしたい場合、どちらの機関で決議をすればいいでしょうか。

決定したい内容

①目的に「古物商許可」を追加する。
②本店を「千代田区丸の内・・・」から「中央区八重洲・・・」に移転する。
③取締役にA氏を選任する
④B氏から代表取締役を辞任する旨の届出がなされたため、取締役の中からC氏を代表取締役に選定する。

株主総会と取締役会の違い

株主総会は、会社のスポンサーである株主が集まる会議体であり、会社の根幹に関わるような重要事項を決定する機関です。会社の根幹に関わるものとして、例えば、定款変更、組織再編(合併等)、新たな役員の選任等が挙げられます。

一方、取締役会は取締役・監査役で構成されます。役員は株主総会で選ばれた方々であり、会社の経営判断を任されたメンバーです。経営判断に関わるものは、基本的に取締役会で決定します。(所有と経営の分離)

定款変更手続きの決議について

定款は、会社の根本規範であり、株主総会の決議事項です。前述の①及び②は定款変更に関わります。なお、本店所在地については、最小の行政区までを定款に記載する必要があり、通常は「東京都千代田区」までが記載されています。

②の変更を行う場合、株主総会では「千代田区」を「中央区」に変更する決議を行います。「中央区」以降の所在地をどうするかは、経営判断に関わるものであり、取締役会で決議します。(取締役会を設置していない会社は、取締役決定書を作成します)

役員変更の決議について

株主が経営判断を任せたいメンバーは株主が選びます(上記③)。株主総会で選ばれたメンバーのうち、誰をそのリーダーとするかは、取締役同士で話し合って決定します(上記④)。(もっとも、取締役会を設置していない会社の場合は、原則として株主総会で代表取締役を選定します。)