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どのような場合に株主総会で議決権が行使できないか

記事作成日2017/12/19 最終更新日2021/05/27

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株主には、さまざまな権利が与えられていますが、その中でも一番重要なのが株主総会決議における「議決権」です。原則として株主は、株主総会において、その有する株式1株につき1個の議決権を有しています。(一株一議決権の原則)

ただし、以下の株式については、議決権を行使することができません。

単元未満株式

株式会社は一定の数の株式をもって、株主が株主総会または種類株主総会において、1個の議決権を行使することができる1単元の株式とする旨を定款で定めることができます。この場合、単元に満たない単元未満株式には、議決権が与えられません。

自己株式

会社が、自ら保有する株式により議決権を行使できるとすれば、取締役らの経営陣の保身のために利用されるなどの、不正な決議が行なわれる可能性があるため、自己株式については議決権を有しません。

相互保有株式

例えば、A社がB社の総株主の議決権の4分の1以上の株式を保有している場合には、B社は自社が保有するA社の株式について議決権を行使することはできません。

このように会社同士が株式を持ち合えば、会社相互の結びつきを強める効果がありますが、A社の支配が及んでいるB社を通じての不正な決議や資本の空洞化(実質的な資本の増加が無いのに表面的な額だけ増える)などの問題があります。そこで、保有自体は禁止されていませんが、議決権は制限されています。

議決権制限種類株式

株主総会において議決権を行使することができる事項について制限された株式(会社法108条1項3号)を有する株主は、制限された事項について、議決権を行使することができません。

定款に以下のような条文を定めることで、その株式の議決権を制限することができます。

・「○○に関する議決権を有しない」
・「○○に関してのみ議決権を有する」
・「議決権を有しない」

こういった議決権制限株式や無議決権株式を設定すれば、経営の核となるメンバー以外の株主の議決権を制限し、会社の意思決定をスムーズに行うことに役立ちます。また、会社の意思決定を経営陣だけで行えるようにできるので、経営を後継者に引き継がせること、つまり、事業承継をスムーズにすることにも役立ちます。

特別利害関係人

株主総会において、特別利害関係人は議決権行使が認められません。自己株式の取得決議における取得対象株式の株主(会社法140条3項、160条4項、175条2項)がこれにあたります。

ただし、議決権の行使が当然に無効となるのではなく、議決権を行使した結果、著しく不当な決議がなされた場合には、決議取消事由となります。(831条1項3号)