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株式併合はどのような手続きが必要か

記事作成日2018/09/06 最終更新日2023/03/10

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株式併合(かぶしきへいごう)とは、数個の株式を合わせてより少数の株式とすることをいいます。株式併合は、会社財産や資本金額を変動させずに発行済株式総数を減少させるため、1株あたりの経済的価値を引き上げる意義を有します。なお、株式併合によっても1株ごとの株式の権利の内容に変更はありません。

1)手続き

株式併合を行う場合には、株主総会の特別決議(会309条2項4号)によって、以下の4つ事項を定めなければなりません(会180条2項1号~4号)。また、取締役は株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならなりません。

さらに、異なる種類の株式を発行している会社においては、ある種類のみの株式を併合する場合で、かつ他の種類の株式の種類株主に損害を及ぼす場合には、定款に別段の定めがない限り、種類株主総会の決議が必要です(会322)。

①併合の割合
②株式の併合がその効力を生ずる日(効力発生日)
③(種類株式発行会社である場合)併合する株式の種類
④効力発生日における発行可能株式総数

2)公開会社の4倍ルール

平成27年の改正で、公開会社においては、株式併合後の発行可能株式総数が、株式併合後の発行済株式総数の4倍を超えることはできなくなりました(会113、180条)。これにあわせて、株式併合をするときの株主総会の決議事項に株式併合後の発行可能株式総数が加えられました。

例えば、発行可能株式総数2000株、発行済株式総数500株の公開会社が、2株を1株にするという株式の併合を行った場合、発行可能株式総数は2000株のままであるにもかかわらず、発行済株式総数は250株となり、発行可能株式総数が発行済株式総数の12倍となります。

株式の併合を行う場合、株主総会決議の決議事項に効力発生日における発行可能株式総数を追加し、その数が効力発生日における発行済株式総数の4倍を超えない数になるようするとともに(新法180条2項、3項)、株式併合の効力発生日に、定款の発行可能株式総数の数が決議内容のとおりに変更されたものとみなす(会182条2項)としたものです。

株式会社は効力発生日の2週間前(株式に端数が生じる場合は20日前)までに、株主等(株主と登録株式質権者)に対して、上記①~④を通知または公告をする必要があります。

3)株券発行会社の場合

株式併合をする会社が株券発行会社の場合は、効力発生日の1ヶ月前までに株券提出公告及び各株主へ通知する必要があります。

4)株式併合により、1株に満たない株式が生じる場合

株式を併合した結果、株式に端数が生じる場合があります。例えば、10株を1株に併合した場合に、端数を生じる可能性があり、また10株を持たない株主は株主としての地位を失ってしまいます。

【例】  

株主A  125株保有
株主B  120株保有

10株を1株に併合

株主A  12株→0.5株の株式が発生
株主B  12株

この1株に満たない株式を切り捨ててしまうとすれば、株式併合により端株が生じる株主に不当な不利益を与えてしまうことになります。そこで、会社法では、会社が1株に満たない株式を金銭に換価して、株主に交付することとされています(会234条、235条)

5)反対株主による買取請求(会182の4)

株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができます。

ただし、ここにいう反対株主とは、株式併合を決議する株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主に限られます。