BLOG

専門家によるブログ

病院・医院経営ブログ

【節税対策】賃上げ促進税制、適用要件をチェック!

記事作成日2023/10/17 最終更新日2023/10/17

X
facebook
copy

今回は、給与支給額が増加したクリニックが対象となる節税対策を紹介します。
先行きの見えなかった新型コロナウイルス感染症の流行により、賞与や昇給に慎重になっていた先生もおられると思います。
そんな中、地域別最低賃金の改定で、全国的な最低賃金の上昇が話題になりました。
また、令和6年度の税制改正では、賃上げ促進税制の拡充および延長が要望されています。

賞与や昇給は、給与支給額増加による節税対策の要件に該当する可能性がありますので、本ブログをぜひお読みください。

賃上げ促進税制とは?

「賃上げ促進税制」とは、青色申告書を提出している中小企業や個人事業主が、一定の要件を満たした上で、前年度よりも給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税・所得税から税額控除できる制度です。

参考:賃上げ税制について(賃上げ促進税制/所得拡大促進税制)「賃上げ促進税制」パンフレット 経済産業省

雇用調整助成金を受けた場合の判定はどうなる?

新型コロナウイルス感染症の影響により雇用調整助成金(以下、雇調金)を受けた方も少なくないと思います。雇調金の支給を受けた場合の適用判定についてご説明します。
基本的な給与等支給額の考え方は、「他の者から支払いを受ける金額(助成金等)」を控除した金額です。

しかし、「他の者から支払いを受ける金額(助成金等)」の中で「国又は地方公共団体から受ける雇用保険法第62条第1項第1号に掲げる事業として支給が行われる助成金その他これに類するものの額(以下、雇用安定助成金額)」は除いて判定することになります。そのため、雇用調整助成金額に該当する雇調金は、給与等支給額に含めて判定します。

出向社員がいる場合は?

出向社員がいる場合、出向元・出向先法人で判定の対象となる給与等支給額が異なります。

〈出向元法人〉
出向先法人から支払を受けた出向負担金は給与等支給額から控除します。

出典:中小企業向け所得税 よくあるご質問Q&A集

〈出向先法人〉
出向先法人の賃金台帳に出向者を記載している場合、出向先法人の出向負担金は給与等支給額に含めることができます。


出典:中小企業向け所得税 よくあるご質問Q&A集

次に、事例についてご紹介をします。

実際に適用になった事例の紹介

実際に本税制を適用し税額控除を受けたクリニックの事例をご紹介します。

事例①:雇用人数の増加による給与等支給額の増加
従業員を1人増やした。
⇒雇用者全体の給与等支給額が前年比で2.5%以上増加し、30%の税額控除を受けることができた。

事例②:物価高騰手当の支給による給与等支給額の増加
物価が高騰しているため、従業員に物価高騰手当を支給した。
⇒この手当により、給与等支給額が前年比で1.5%以上増加し、15%の税額控除を受けることができた。

最後に、現在の最低賃金や賃上げ促進税制の変化など、今後の展望について確認しましょう。

今後の展望

地域別最低賃金の現状

令和5年10月1日の地域別最低賃金の改定で、全国的な最低賃金の上昇が話題になりました。令和5年10月1日時点で、最低賃金の全国平均は時給1,004円で、最も高い東京都の最低賃金は、1,113円です。
一都三県では、下記のような金額になっています。

参考:地域別最低賃金の全国一覧 厚生労働省

最低賃金は、全国的に上昇しているため、改定された最低賃金を目安に自院の賃金の設定を見直す必要があるかもしれません。

 賃上げ促進税制は今後どのようになるか?

令和6年度の税制改正要望では、経済産業省が賃上げ促進税制の拡充及び延長を提案しています。

〈拡充〉
現行制度では賃上げを行っていても、赤字の場合には、税額控除の適用を受けることができませんでした。そこで、令和6年度の税制改正では、繰越控除措置の創設が要望されています。
税制を改正し繰越控除措置が創設されれば、賃上げを実施した年度が赤字であっても、その年度以降の業績が改善したタイミングで、税額控除を受けることができるようになります。

〈延長〉
現在の賃上げ促進税制の適用期間は令和4年4月1日~令和6年3月31日までの間に開始する事業年度です。この税制措置の延長期間を長期化する要望が出ているため、適用期間延長の可能性があります。

賃上げをする際に、賃上げ促進税制の要件に該当する場合には、本税制を活用するようにしましょう。
また、ご紹介したように賃上げ促進税制の適用判定は複雑であるため、判定の際は是非TOMAまでご相談ください。

◆開業支援、節税、経営改善、承継…医療機関支援30年以上のノウハウでサポート。

 

◆医療機関が元気になる話題を毎月お届けする、TOMAのメールマガジンです。

 

◆心強い「共同経営者」として貴院の経営をきめ細やかにサポート致します。

初めての方 閉じる