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RPA「Winactor」導入による業務効率化を解説!TOMAのコンサル事例③〜売上管理登録を自動化〜

記事作成日2023/07/07 最終更新日2023/07/07

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RPAを導入する企業は増加傾向にありますが、導入後の満足度はどうなのでしょうか?決して安価ではなく、また業務に対する影響も少なくないRPAは企業にとって大きな投資でもあり、導入するからには失敗はしたくありません。

この記事では、RPA導入においてどんな課題や難題があるのか、それをどうやって乗り越え、どれだけの効果が得られたのかについて、実際にTOMAがRPA導入をサポートした事例をご紹介します。RPAの導入を検討されている方はぜひご参考にしてください。

人的資源を浪費する「請求情報登録」

今回ご紹介する事例は、請求管理システムに売上情報を転記する作業の自動化です。この事例は社内の部門から依頼された事例です。

この部門では、毎月お客様への請求書作成を2名の担当者が行っていました。請求書の作成枚数は月によってばらつきがありますが、60〜100枚程度です。
作成した請求書は売上管理システムから請求管理システムに情報を転記させるのですが、一連の業務が担当者の負荷となり、他の業務に手が回らないということで、自動化のご相談をいただきました。詳しくヒアリングを行うと、以下の課題が浮き彫りになりました。

課題1:毎月3営業日で請求管理システムに売上情報を登録しなければならない

請求情報を確定させ、発送業務のスケジュールを考慮すると、毎月下旬の3日間でシステムへの登録を完遂しなければなりませんでした。担当者は別の業務もあり、この期間には残業が恒常的に発生するなど負担になっていました。

課題2:作業時間は20時間を要している

請求管理システムへの転記作業は毎月20時間、年間で約240時間要していました。それだけの時間をかけて作業を行なってもシステムへの売上情報の登録は全て手入力で転記していたため、入力ミスが毎月数件発生していました。

担当者は毎回細心の注意を払って作業を進めていましたが、ヒューマンエラーをゼロにすることは難しかったそうです。請求管理システムへの入力が終わった後、別の担当者によるチェックを行っていました。請求の段階でのミスは事前に回避できていましたが、このチェック作業も担当者にとっては相当な負担になっていました。

請求書の作成をはじめとした請求業務は、どんな企業でも行っている毎月必ず発生する単純作業ではないでしょうか。もし請求業務を何かしらのシステムで行っているのであれば、RPAに代替させることが可能です。導入により確実に成果を上げられる分野のため、もし請求業務に生産性を感じていないのであれば、積極的な導入をおすすめします。

RPAの導入により業務効率化に成功

今回の事例はヒアリングに1ヶ月、システムの構築・導入に3ヶ月と、計4ヶ月で運用開始することができました。担当者がRPAを起動すると、RPAは自動でクラウド上にある売上管理システムを起動します。次に、売上管理システムから売上情報をCSV出力しファイルサーバーに自動保存。請求管理システムに売上情報を自動転記します。転記が終わったらCSVファイルを登録完了済へと更新し、売上管理システムにCSVファイルで取込み作業を完了します。

毎月60〜100枚の請求書データの転記を行うのに人間であれば20時間かかっていましたが、RPAはおよそ3分の1の6〜8時間で作業を完了させることができます。
納期が通常よりも早い場合や繁忙期であっても、問題なく業務の遂行が可能です。人間の場合、就業時間中でなければ残業扱いになりますが、RPAに残業の概念はありません。

就業時間内に売上管理システムに売上情報を登録し、退社する際にRPAを起動しておけば、翌日出社したときには全てデータの転記が終わっているのです。もちろん、正しく転記がなされているか、チェック作業は今も発生していますが、人間の手作業とは比較にならないほどミスを減らすことができました。

拡張性の高さが魅力のWinActor

使用したRPAはNTTデータが開発しているRPA、WinActorです。このRPAはWindows端末上のアプリケーションの操作を学習し、自動実行するソフトウェア型ロボットで、利用できるアプリケーションに制限はありません。

Edge やOffice製品(Excel、Access、Word、Outlook等)をはじめ、ERPやOCR、ワークフロー(電子決済)、個別システム、共同利用型システムなどにも対応しているため、今回のようにクラウド上の管理システムの自動化も難なくこなすことができます。

唯一の留意点は登録方法の統一

今回のRPA導入事例において最も大変だったのは売上情報の登録方法の統一です。この部門では、各担当者が売上管理システムに売上情報を登録していたのですが、担当者によって登録方法が異なっていました。

RPAでシナリオを組むと、担当者毎による登録方法の違いを認識できずにエラーが発生してしまうのです。そこで、RPAを導入する際に共通の登録ルールを作成しました。

年間240時間の工数削減が実現

RPA導入後、人間の作業は実行ボタンを押すだけ、現場の仕事は劇的に変わりました。月に20時間かけて行なっていた請求管理システムへの手入力作業がゼロになり、年間240時間の工数を削減することに成功。これまで登録を担当していた2人の社員は、RPAでは代替できない生産性の高い業務に時間を割けるようになりました。

企業の人材不足が叫ばれる昨今、単純な数値や名称などの転記作業に人員を割くのではなく、RPAで行えるのであれば導入を検討しても良いのではないでしょうか。TOMAではRPAの導入支援サービスを提供しており、今回ご紹介したサービスの詳細はこちらになります。ご興味がある方はぜひご覧ください。また、TOMAでは定期的にIT・業務改善に関するメールマガジンを定期的に配信しております。こちらもぜひご登録ください。

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