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スムーズなオンライン社員総会の実施方法とは?一般社団法人を例に具体的な手順とポイントを解説

記事作成日2023/07/26 最終更新日2023/08/29

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コロナ禍を機に業務のオンライン化が急速に進んでいます。リモートワークやウェブ会議など、さまざまな場面でIT技術が活用されるようになりました。社員総会に関しても例外ではなく、オンライン化を図る動きが加速しています。

そのため、ここでは一般社団法人の社員総会のオンライン化をどのように進めればよいか、具体的な手順とポイントについて解説します。

オンライン社員総会の種類

オンライン社員総会は、役員や社員等がインターネット等を活用して遠隔から参加・出席する形態で、通称「バーチャル社員総会」とも呼ばれています。

①バーチャルオンリー型

実開催とは異なり、物理的な会場を設けずに 、役員や社員等が、インターネット等の手段を用いて社員総会に出席する形態となります。

②ハイブリッド型

実開催同様に物理的な会場を設ける一方で、追加的に役員や社員等が、インターネット等の手段を用いて社員総会に参加・出席する形態となります。

ハイブリッド型には2つの種類があります。

・ハイブリッド参加型:審議等を確認・傍聴することができる
(議決権行使や質問・動議は不可)
・ハイブリッド出席型:議決権行使や質問・動議ができる。

準備段階

オンライン社員総会を実施するにはどういった準備が必要でしょうか。厳密には各法人の環境により内容は異なりますが、一般的には以下の点を確認するのが良いでしょう。

必要なツールやシステムの選定

オンライン社員総会には、適切なツールやシステムを検討する必要があります。Zoom等の動画配信システムに限らず、電話会議やインターネットを通じた音声配信による方法も可能です。

<オンラインシステム・実施事例>

・YouTubeでのリアルタイムによる動画配信
・Zoomミーティングを利用して、リアルタイムでの動画配信
・自社サイト内でリアルタイム配信、議長を含め役員全員がオンラインでの出席

通信環境の確保と技術的な準備

参加者がオンライン社員総会に参加できるよう、十分な通信環境が必要です。また、必要な機器や設定、テスト環境の準備も重要です。事前に通信障害への対策も検討しましょう。

<通信障害対策・実施事例>

・通信障害に備えたバックアップとして、インターネット回線を複数用意
・通信環境等によって接続ができない可能性も考え、事前に通信テスト用URLを発行し、ウェブ会議ツールの接続テストを実施
・通信障害復旧が困難な場合でも、リアル会場のみで社員総会を成立させるために、通信障害が発生した場合のシナリオを準備

オンライン社員総会の開催を周知する

社員に対して、オンライン社員総会の開催を招集通知やウェブサイト上で周知する必要があります。社員が混乱せずに参加できるよう、配慮しておくことが重要です。

<周知方法・実施事例>

・招集通知に「オンライン社員総会を開催する旨や、詳細の決定や変更などについては自社ウェブサイトに随時掲載する」と記載

本人確認(なりすまし対策を含む)

インターネットを利用する場合、なりすましの危険性に注意する必要があります。実開催では、議決権行使書面を所持している者を本人とみなすことが多いですが、オンライン社員総会の場合は、パスワード等で本人確認を行うケースが多いです。

<実施事例>

・オンライン社員総会の本人確認にあたっては、事前に社員に送付する議決権行使書面等に、社員毎に固有のIDとパスワード等を記載して送付し、社員がインターネット等の手段でログインする際に、当該IDとパスワード等を用いたログインを求める方法
・社員固有の情報を使用して認証を行う方法。(例:「株主番号(4桁+4桁)」「郵便番号」「株式数」)
・オンライン社員総会の事前申込み時に、社員番号や氏名住所に加え、本人確認も兼ねて議決権行使書の画面キャプチャを提出

賛否の確認方法

議決権行使データのシステム連携などを活用し、結果をリアルタイムで表示することで、オンライン出席者に臨場感を与える効果が期待できます。

一方、実開催と同様に、事前の議決権行使状況を勘案し、簡便な方法で賛否を確認し、その結果のみを示すことでも十分です。

また、オンライン出席者に一体感を与えるためには、拍手ボタンを設置するなどの運用方法もあります。

まとめ

オンライン社員総会は、どこにいても参加や出席が可能であり、社員とのコミュニケーションを充実させることができます。

従来の社員総会では会場への参加が難しかった方でも、オンライン社員総会なら自宅から気軽に参加できます。インターネットを介した双方向のクリアなやり取りができれば、法人のイメージアップにもつながるでしょう。オンライン社員総会の開催を検討してみてはいかがでしょうか。

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