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吸収合併をする場合、古物商許可はどうなるのか?
合併存続会社がもともと古物商許可を持っている場合、合併後もそのまま許可を維持できます。
では、合併消滅会社が古物商許可を持っている場合、合併存続会社がその古物商許可を引き継ぐことができるでしょうか。
<Q&A>
Q:X社は古物商許可をもっておらず、Y社は古物商許可をもっています。
X社はY社を吸収合併することを検討しています。
合併により、X社が存続会社、Y社が消滅会社となります。
X社はY社の古物商許可も引き継いで、合併後もY社が行っていた古物の販売を継続すること考えていますが、古物商許可を引き継ぐことはできるのでしょうか。
A:合併と同時にY社は消滅するため、Y社がもっている許可も消滅します。
合併をしても、X社はY社の古物商許可を引き継ぐことはできません。
X社が古物商許可を取得したい場合は、X社自身が許可取得の申請をする必要があります。
<ポイント>
1)吸収合併で、消滅会社(Y社)の古物商許可を引き継ぐことはできません。
2)吸収合併存続会社(X社)が、古物商許可を取得したい場合は、吸収合併存続会社(X社)自身が古物商許可の申請をして、許可を取得する必要があります。
3)古物商の許可を申請してから、許可がされるまで、一定の時間がかかるので、合併後の古物販売事業開始日の調整が必要な場合があります。
<吸収合併存続会社(X社)が古物商許可を取得するためには、何をすればいいのか>
1)まず、古物商許可のための条件を満たすことが必要です。
主な条件は、以下のとおりです。
■申請する営業所に常勤の管理者がいること
■申請する営業所の使用権限があること
■中古車の販売をする場合は、使用権限がある駐車場があること
その他、代表者・役員・管理者の中に、欠格要件に該当する人物が1人でもいると、古物商許可を取ることができません。以下の項目に当てはまることがないか、事前に必ず確認しておきましょう。
①成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない方
②犯罪歴のある方
③暴力団関係者
④住居の定まらない方
⑤古物営業の許可を取り消されてから5年を経過しない方
⑥精神障害により古物営業を適正に営めない者
⑦未成年者
2)スケジュールの管理を行うことが重要です。
許可申請の準備期間、申請後の審査期間の見通しをたて、許可取得日の見込みと事業の開始時期のスケジュールを立てましょう。
申請後の審査期間(標準処理期間)は40日です。
<合併の前後を通して、古物の販売を行うためにはどうしたいいのか>
■合併存続会社(X社)が合併前に古物商許可を取得する
いずれにしても、合併存続会社(X社)が古物商許可を取得しなければなりませんので、合併によりY社が消滅する前に、X社が建設業許可を取得しておく必要があります。
そのためには、合併前のX社が前述の条件を満たさなければなりません。
ただ、合併前にY社の営業所をX社の営業所として重複して申請することはできないので、X社はいったん別の営業所で許可を受け、合併と同時に営業所を移転するなどの対策を講じる必要があります。