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“イチ事業戦略”としてM&Aを現実的な選択肢に

記事作成日2023/08/17 最終更新日2023/09/04

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皆様はM&Aをどのように考えていますか。中小企業を取り巻く環境が厳しさを増していくなか、「買い手側の立場でのM&A」を自社が生き残りを図るため、そしてさらに成長していくための事業戦略のひとつと捉えられると戦略の幅が大きく広がります。

またM&Aをより現実的な選択肢として検討することは、自社の未来を明確に思い描く契機にもなるでしょう。今月は、企業を買収する側の視点から、M&Aの基本情報や、中小企業の事業戦略としてのメリットと成功ポイント、M&Aに活用できる補助金などについて解説します。

中小企業における、買い手側としてのM&A

M&A(合併と買収)は、別の企業の経営権などを獲得するための経営戦略の一つです。2000年代から日本でも注目され始め、中小企業の事業承継問題を解決する手段としても活用され、特にこの10年ほどは増加傾向が強く見られます。

ただし中小企業の経営者の多くは、M&Aに対して下記のようなハードルを感じ、「現実的な選択肢として検討していない」というのが実情かと思います。

しかし、人手不足が刻々と進行する現在、買い手の立場でM&Aを活用するという方法は、中小企業が競争を勝ち抜き、さらに発展していくための有効な“事業戦略”のひとつです。

M&Aは、自社の成長や将来のための“投資”だと言えます。自社事業とのシナジーが見込める企業をM&Aすることで、新規事業や販路開拓などをある程度基盤があるところから始めることができ、本来ならゼロから事業を育てる費用や時間が大幅削減できます。

つまりM&Aを選択肢と捉えることで、事業戦略は一回りも二回りも大きく考えられるということなのです。

買い手側がM&Aを成功させるためのポイント

M&Aの基本的な進め方やその過程ごとのポイントは次ページでまとめますが、実はM&Aのプロセスの前後に重要なポイントがあります。

実施前のポイント
「自社の良い部分と悪い部分を把握・理解し、経営を安定させる」ことが大切です。買い手として相手企業を見ることばかりに目が行きがちですが、まず自社をコントロールできていなければ相手先のコントロールはできません。また、買い手だからといって優位だと考えるのではなく、相手先と対等な関係であるという視点を持ち、相手先から自社がどう見られているかを理解することが大切です。
実施直後のポイント
M&Aの総仕上げといえるPM(I Post Merger Integration:経営統合プロセス)です。ここでは経営手法や社内制度、システム、業務の進め方などをすり合わせていきます。経営理念、組織文化などが異なっていた両社を統合し、相乗効果を最大化して企業価値を上げていくために、絶対に欠くことのできないプロセスだといえます。
実施後のポイント
M&Aでは相手がありすべてを見通すことは難しいため、全面的な成功を目指すよりも必ず実現すべきことを明確にして注力することも大切です。販路を開拓したい、新事業を始めたい、有資格者・技術者を確保したいなど当初の目的をしっかりと見据えてM&Aの実行および、その後の経営を行っていくとよいでしょう。

利害関係のない第三者的視点が肝要

M&Aでは、前述した進め方や各種手続き、法対応など、さまざまなプロセスを行います。これらすべてを適切に行い、M&Aを成功させるには、専門家の選び方が重要です。

特に交渉の初期段階から、自社の財務や内情をよく知る税理士などの専門家に関与させることが成功のポイントです。TOMAでは、多くの中小企業の経営者の方からのご相談を日常的に受けている専門家が、事業や会社への想いに寄り添いながらM&Aのサポートを行っています。またM&Aが妥当でない場合は別の選択肢を提案できるのも特徴です。ご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

POINT!
「相手先企業が、自社にとって最適なのか?」「そもそも、そのM&Aを行うべきか?」などに対し、自社サイドの視点でありながらも、客観的に判断できる専門家を選びましょう!

M&Aに関する補助金と支援機関

『事業承継・引継ぎ補助金』『M&A支援機関』とは?

中小企業のM&Aの円滑化などを目指す『中小M&A推進計画』を国が推進する一環として、M&Aを行う中小企業向けに『事業承継・引継ぎ補助金』と『M&A支援機関登録制度』を実施しています。

事業承継・引継ぎ補助金
事業承継したい方やM&Aの売り手のみではなく、買い手も対象となります。M&Aによる経営革新や経営資源の引継ぎなどを行おうとする中小企業者などを資金面で後押しする補助金です(詳細は下記)。
M&A支援機関登録制度
「仲介業者に紹介されてM&Aを行ったが円滑に進まない」など、相次ぐM&Aのトラブルを防ぐ目的で、2021年に設けられた中小企業のM&Aを適切に支援する機関の登録制度。中小企業庁が定めた「中小M&Aガイドライン」を遵守するなど基準を満たした支援機関が登録できます。※TOMAも登録機関です。

なお、『専門家活用事業』の補助対象は、『M&A支援機関』に登録している機関が支援した費用に限られます。安心かつスムーズにM&Aを行うためにぜひご活用ください。

企業間競争や人材不足の課題を解決するM&A

多くのM&Aが実施されるようになった現在、M&Aに対する“目”が肥えている経営者も増えています。同業他社との競争を勝ち抜くには、M&Aに関する眼識を養い、自社の現状を正確に把握し、M&Aの有効性を現実的な視点で考えることが必要です。自社が目指す将来像を実現するためにも、“事業戦略としてのM&A”を検討してみてはいかがでしょうか。

自社の未来のためにM&Aに興味を持たれましたら、ぜひTOMAにお声がけください。「M&Aが最適か」という点から、御社の立場に立ってサポートいたします。

● 事業戦略としてのM&Aを行ううえで事業判断や投資判断の礎となる、経営計画作成支援
● 自社の理念や経営計画などの作成支援
● 税務・会計だけでなく、人事・労務の分野も社会保険労務士など専門家によるデューデリジェンスが可能
● M&A後の会計・人事などの制度づくり、就業規則の策定、社会保険対応、法務関連をワンストップで支援 など

監修 TOMAコンサルタンツグループ コーポレートアドバイザリー部

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