社団法人・財団法人

コロナ禍に対応した一般社団法人の定款変更のすすめ

2021.01.07

2021.01.07

今般の新型コロナウイルス感染拡大を受け、従来のやり方では社員総会や理事会を開催することが難しくなっている状況です。
そこで、今後の運営を考えて定款変更を行っておくことをお勧めします。
今回は、コロナ禍に対応した定款変更となるものをいくつかご紹介したいと思います。

理事会の決議省略

実開催せずに決議を省略できる制度です。理事全員の同意があり、かつ監事の全員が異議を述べなかったときは、理事会を現実に開催することなく、その議案を可決する旨の理事会の決議があったとみなすことができる旨を“定款”で定めることにより、「理事会の決議の省略」を行うことができます(一般法人法96、197)。社員総会の決議の省略(同58)は、定款にその定めがなくても行うことができますが、「理事会の決議の省略」は定款に、その定めがないときは行うことができません。

注意点としては、以下の通りです。

・一人でも反対する者がいれば、決議の省略はできません。そのため、理事全員から同意を得られることが可能かどうか、よく見極めてから行う必要があります。

・代表理事及び業務執行理事に課されている自己の職務執行状況についての理事会への定期報告(同法91②、197)については省略できません。必ず理事会を開いて報告しなければなりませんので、注意が必要です。

・社員総会の決議を省略する場合には、社員又の同意のみで足りるのに対して、理事会の決議を省略する場合には、理事の同意に加えて監事が異議を述べないことが要件とされています。

理事会議事録への押印者削減

原則として、理事会議事録が、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事及び監事は、これに署名または記名押印しなければなりません(法人法第95条3項)。

ただし、“定款”で理事会議事録に署名または記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事及び監事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事及び監事のみ署名または記名押印者とすることにできます。

社員総会の定足数緩和

 社員総会の定足数とは、社員総会の決議が成立するための最低限度の出席者数のことをいいます。
一般社団法人の社員総会の決議が成立するためには、定款に別段の定めがある場合を除き、原則は総社員の議決権の過半数を有する社員の出席が必要です(法人法第49条1項)。
 定款での別段の定めというのは、定足数を加重することはもとより、半数未満とすることや、定足数を定めないこともできることとされています。なお、理事会の定足数を緩和することはできず、また、議決要件については定款に別段の定めを置いても緩和はできず、加重することができるのみです。

 また、公益社団法人については、「定款の定めにより、社員総会の普通決議の要件(定足数) を大幅に緩和し、あるいは撤廃することは許されない」とされており、「総社員の議決権の3分の1を有する社員の出席」までは許容できるとされています(内閣府公益認定等委員会 留意事項Ⅱの4)。

「書面表決」・「電磁的方法による表決」・「表決委任」の活用

 定款の社員総会と理事会(表決委任を除く)の表決権等の条項において、「書面表決」・「電磁的方法による表決」・「表決委任」を定めることによりこの方法で表決した者は、実際に出席をしていなくとも、会議の出席者数に含めることができます。

 ただし、総会自体は実開催することになるため、議事録作成のために議長1人と定款で定める議事録署名人に必要な人数は実際に参集する必要があります。

〇「書面表決」
 会議資料に「書面表決票」など任意の様式で参加者が意思表明できる書面を同封し、各議題への賛否を記入していただいて返送してもらいます。ファックスは「書面による表決」の扱いとなります。

〇「電磁的方法による表決」
 会議資料を送付した上で、「電子メール」など紙媒体で出力することが可能なものにより各議題への賛否を表決してもらいます。

〇「表決委任」
 会議資料に「表決委任状」など任意の様式を同封し、会議に出席する他の者を代理人として表決を委任することを記入していただいて返送してもらいます。コロナ禍の中では、議長に委任すること形が多いです。

今後、再び緊急事態宣言が発令されることになり、さらに外出が困難になってくるかと思いますので、これを機会に定款変更をご検討してみてはいかがでしょうか。

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