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IFRS(国際財務報告基準)のメリット・デメリット

記事作成日2017/02/01 最終更新日2017/02/01

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[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]

IFRS(国際財務報告基準)のメリット・デメリット

世界各国に様々な言語があるように、企業における共通言語と言い換えることができるのが会計でしょう。
グローバルにビジネス展開がされることが当たり前になっている現代において、IFRS(国際財務報告基準)を導入するとどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

■国際財務報告書基準とは

国際財務報告書基準(International Financial Reporting Standards)は、イギリス ロンドンに本部がある国際会計基準審議会(IASB)が作成した、会計の世界共通ルールの総称のことを言います。
国際会計基準と言うこともあり、英語の頭文字を取って「IFRS」と表記され、イファース、アイファース、アイエフアールエスなどと呼ばれます。

2005年からEU各国で適用され、現在は世界120カ国以上でIFRSが普及しています。
日本においては2010年3月期から任意適用が開始されました。

海外でビジネスを展開することが当たり前となった今の時代、どのくらいの利益または損失があるのか、どのくらいの資産や負債を保有しているのかを表す財務諸表の存在が、企業の価値を判断する材料の1つになっています。
しかし、財務諸表を各国がそれぞれのルールで作っていては比較するのが難しいと言えますし、将来の事業戦略を立てていく時の判断に迷いが生じることもあるでしょう。
このような背景から、世界共通の会計基準の必要性が問われ、国際財務報告基準が注目されるようになりました。

■国際財務報告基準(IFRS)のメリット

ビジネスをグローバル展開している企業にとって、各国にある子会社と本社と同じ会計基準であることで、管理や業績の評価がしやすいと言えるでしょう。
また、事業を継続していくためには、自己資本でまかなうのが理想的かもしれませんが、ビジネスをスタートさせたばかりの企業にとってはそううまく行くとは限りません。

そこで、第三者からお金を借りる、投資をしてもらうことで資金調達する必要があります。
お金を貸す側も、その企業の財務状況が知りたいのは当然のことです。

投資家は世界中にいますから、IFRSの導入によって日本企業に投資しやすい環境を整えるきっかけとなります。
国内外の第三者に対して比較しやすい、透明性の高い財務諸表を提示することができると言えるでしょう。

■国際財務報告基準(IFRS)のデメリット

現在適用している会計基準から、IFRSを導入することで会計システムの変更が必要になります。
また、実務者も今までやっていた処理と変更が出てくることから、軌道に乗せるまでの時間、労力、費用負担がかかることには注意が必要になります。

日本では任意の適用となっていることから、IFRSとこれまでの2種類の財務諸表を作成しなくてはならないため、時間と労力がかかってしまいます。
さらに日本の会計基準との違いから、資産・負債の範囲が広くなることで対応が増えてしまうこともデメリットに挙げられるでしょう。

ビジネスをグローバル展開していく上で、世界がどのような傾向にあるかを充分に把握する必要があります。
中でも、会計は避けては通れないテーマです。
IFRSを導入するにはメリット・デメリットの両面を理解することが求められると言えるでしょう。

 

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