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第6回公募から大きく変わる事業再構築補助金、申請条件は?いつから申請可能?気になる疑問をわかりやすく解説!

2022.02.16

2022.02.16

新型コロナウイルス感染症により売上が低迷し、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の変化に対応すべく新分野展開や事業転換に挑戦する企業をサポートするために創設された「事業再構築補助金」。2021年3月26日の第1回公募は22,000件を超える応募があり、世間の関心の高さがうかがえます。

2022年3月28日の公募開始で6回目になりますが、今回の第6回公募からは新しい制度の拡充、要件が緩和されています。今回は、第6回における変更点を中心に解説したいと思います。第5回公募までの内容に関してはこちらの記事をご確認ください。

事業再構築補助金

中小企業等事業再構築促進事業における「事業再構築補助金」とは?

令和3年度補正予算で決定した中小企業等事業再構築促進事業では

「引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者」
「そこから脱するために新分野展開や業態転換を計画する事業者」
「多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる事業者」
「グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者」

引用:経済産業省「事業再構築補助金 令和3年度補正予算の概要

などを支援すると明示しています。そのため、補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上の増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部 5.0%)以上の増加等を目標としています。

上記を達成するための具体策として創設されたのが事業再構築補助金です。ポストコロナ・ウィズコロナ時代を見据え、経済環境の変化に柔軟に対応し、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編に取り組む中小企業を支援するべく創設されました。

令和2年度第3次補正予算案額は 1兆1,485億円が計上され、2021年3月26日から第1回公募が開始されており、現時点では第6回の公募が行われている状況です。ちなみに、令和3年度補正予算額においても6,123億円が計上されております。

本補助金は、回を追うごとに少しずつ要件の見直しや拡充が推し進められており、売上高減少要件の緩和など、より広い中小企業への支援体制が整いつつある状況です。特に、第6回公募からは売上高10%要件の緩和や通常枠の補助上限額の見直しなど、大きな変更が行われています。

補助対象となる経費の例

まず事業再構築補助金では、どういった経費が補助されるか改めて確認しておきましょう。

・建物費(第6回公募より原則改修の場合のみ。新築の場合には一定の制限が設けられる
・機械装置・システム構築費
・技術導入費
・専門家経費
・運搬費
・クラウドサービス利用費
・外注費
・知的財産権等関連経費
・広告宣伝・販売促進費
・研修費(第6回公募より補助対象経費総額の1/3が上限となる

事業再構築補助金で補助される経費の例の図解

「事業再構築補助金」第6回申請から加わる新制度、変更点は?

見直し・拡充が行われた「事業再構築補助金」ですが、具体的に第6回の申請からどのような点が変わるか以下に記載いたします。

1.売上高10%減少要件の緩和

まず、これまで申請の必須要件であった売上高の減少に関する要件が緩和されます。

第5回までは「①2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していること」かつ「②2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前と比較して5%以上減少していること」と2段構えの要件になっていました

第6回以降は②の要件が撤廃され、①のみが要件になります。企業努力を重ね、2020年10月以降に売上を減少させることなく頑張っている企業も申請が可能となります。

2.通常枠の補助上限額の見直し

通常枠の補助上限額に2000万円が追加され、2,000万円、4,000万円、6,000万円、8,000万円の4種類となります。限られた政策資源で1者(社)でも多くの事業者を支援するための見直しです。上限額は中小企業の従業員規模に応じて変化します。

補助上限額・補助率

従業員規模補助金額補助率
第5回公募まで第6回公募以降
20人以下100万円〜4,000万円100万円〜2,000万円【中小企業】
2/3 (6,000万円超は1/2)
【中堅企業】
1/2 (4,000万円超は1/3)
21〜50人100万円〜6,000万円100万円〜4,000万円
51〜100人100万円〜8,000万円100万円〜6,000万円
101人以上100万円〜8,000万円

 

通常枠の要件

① 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1〜3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
② 事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること (補助額3,000万円超は金融機関も必須)
③ 補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加または 従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること

3.回復・再生応援枠の新設

これまでの「緊急事態宣言特別枠」に代わり、「回復・再生応援枠」が新設されます。引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者を支援する補助金制度です。この枠の補助金額の上限は1,500万円ですが、補助率は2/3(通常枠)から3/4に引き上げられ手厚い支援になっています。

また、これまでは「既存の設備の撤去や既存の店舗の縮小等」が事業再構築指針で求められていましたが、「主要な設備の変更を求めない」といった緩和措置も追加される予定です。

補助上限額・補助率

従業員規模補助金額補助率
第5回公募まで第6回公募以降
5人以下100万円〜500万円100万円〜500万円【中小企業】3/4
【中堅企業】2/3
6〜20人100万円〜1,000万円100万円〜1,000万円
21人以上100万円〜1,500万円100万円〜1,500万円

 

回復・再生応援枠の対象となる事業者

通常枠の申請要件に加え、以下の①または②を満たすこと
① 2021年10月以降のいずれかの月の売上高が2020年または2019年の同月比で30%以上減少していること
② 再生支援協議会スキーム等に則り再生計画を策定していること(詳細な要件は未定)

4.グリーン成長枠の新設

第6回公募から「卒業枠・グローバルV字回復枠」に代わり、「グリーン成長枠」が新設されます。この枠はグリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者を対象に、1.5億円の補助を上限とする申請類型です。なお、グリーン成長枠では、売上高10%減少要件は課されません。

グリーン成長枠は2回支援を受けることが可能

グリーン成長枠に限って言えば特例が適用され、過去の公募で採択された事業者でも、再度申請することが可能ですので、これから申請をお考えの方も、既に支援を受けた方も、ぜひご検討ください。なお、追加提出資料と審査内容に関しては以下の通りです。

通常の申請に加えて、以下の2つの資料の提出が必要。
①既に事業再構築補助金で取り組んでいる事業再構築とは異なる事業再構築であることの説明資料
②既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があることの説明資料
→通常の審査に加え、一定の減点を受けたうえで、これらの資料ついても考慮したうえで採否を判断する。

引用:経済産業省「事業再構築補助金 令和3年度補正予算の概要 2.0版

補助上限額・補助率

事業規模補助金額補助率
中小企業100万円〜1億円1/2
中堅企業100万円〜1.5億円1/3

 

グリーン成長枠の対象となる事業者

① 事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること (補助額3,000万円超は金融機関も必須)
② 補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加または従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること(※通常はそれぞれ年率平均3.0%以上増加)
③ グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと

参考:経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

注)グリーン成長戦略14分野とは

「次世代熱エネルギー」「自動車・蓄電池」など、2050年カーボンニュートラルに向けて成長が期待される14の重点分野をいいます。政府の成長戦略会議では、目標の実現を目指す企業の前向きな挑戦を後押しするため、あらゆる政策資源を投下して「実質ゼロ」を目指すと宣言しています。グリーン成長戦略についてはこちらもご確認ください(https://mirasapo-plus.go.jp/hint/17583/

グリーン成長戦略「実行計画」14分野の解説

5.その他、運用改善について

「最低賃金枠と大規模賃金引上枠」は第6回以降も変更なく継続予定です。

最低賃金枠の要件

通常枠の申請要件に加え、以下の①および②を満たすこと
① 2020年10月から2021年6月までの間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること
② 2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少していること

補助上限額・補助率

従業員規模補助金額補助率
5人以下100万円〜500万円【中小企業】3/4
【中堅企業】2/3
6〜20人100万円〜1,000万円
21人100万円〜1,500万円

 

大規模賃金引上枠の要件

通常枠の申請要件に加え、以下の①および②を満たすこと
① 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3〜5年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること
② 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3〜5年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1.0%以上)増員させること

補助上限額・補助率

従業員規模補助金額補助率
101人以上8,000万円超〜1億円【中小企業】2/3
(6,000万円超1/2)
【中堅企業】1/2
(4,000万円超1/3)

※ただし、8,000万円を超える補助には返還要件があります。

この他にも、事業再構築指針における事業再構築で新たに取り組む事業の売上高が、総売上高の10%以上となる事業計画を策定する要件が、付加価値額の15%以上でも認められるといった緩和も実施されます。

以上のように、第6回の公募から申請用件の緩和や新しい補助金の創設、岸田政権肝煎りの賃金引上げ政策に対する補助金の継続と大きく変更が予定されています。 これまで事業計画はあっても要件を満たせなかった中小企業にとっては大きなチャンスと言えるでしょう。

第6回公募はいつからいつまで?事業再構築補助金の公募期間・スケジュール

第6回の公募期間は3月28日(月)から6月30日(木)までとなり、6月8日(水)より申請受付が開始されています。なお、過去も含めた公募スケジュールは以下の通りです。

第1回公募2021年3月26日(金)〜2021年4月30日(金)
第2回公募2021年5月20日(木)〜2021年7月2日(金)
第3回公募2021年7月30日(金)〜2021年9月21日(火)
第4回公募2021年10月28日(木)〜2021年12月21日(火)
第5回公募2022年1月20日(木)〜2022年3月24日(木)
第6回公募2022年3月28日(月)〜2022年6月30日(木)


ちなみに事業再構築補助金は第6回公募を含めて、令和4年には3回程度の公募の実施が予定されています。

申請には各種書類をそろえなければならないため、一般的に申請が完了するまで1ヶ月程度かかります。また、ただ申請を行えば良いという訳ではなく質の高い事業計画を構築しなければなりません。これらを鑑みると、補助金の採択率を上げるためにも余裕を持ってスケジュールを組むことが重要です。

事業再構築補助金の申請に必要な書類

では、申請にはどのような書類を準備しなければならないのでしょうか。

(1)事業計画書

事業計画は認定経営革新等支援機関と相談の上で策定します。3,000万円を超える補助金を申請する場合は認定経営革新等支援機関および金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は当該金融機関のみでも可)と事業計画を策定する必要があります。

事業計画書は採択可否を判断する上で最も重要な書類です。事業計画書には補助申請事業の具体的な内容、将来の展望(市場分析・差別化戦略・リスク分析など)、事業で取得する予定の資産、収益計画などを記します。A4サイズで計15ページ以内(補助金額1,500万円以下の場合は計10ページ以内)でまとめられていれば、フォーマットは特に決められていません。

(2)認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書

事業計画を認定経営革新等支援機関と策定し「認定経営革新等支援機関による確認書」を提出します。補助金額3,000万円を超える事業計画は、「認定経営革新等支援機関による確認書」と共に「金融機関による確認書」が必要になります。

(3)売上高(付加価値額)の減少がわかる書類

過去の確定申告書別表一の控え、法人事業概況説明書の控えなどの準備が必要です。

(4)決算書

直近2年分の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表の準備が必要です。

このほか応募する枠によって必要な書類が異なります。当然、申請書類に不備があればどれだけ素晴らしい事業計画を立てても採択されないため、万全の準備が必要です。

事業再構築補助金の申請に必要な書類の解説

申請から補助金の支払いまでの流れ

書類がそろったら申請を行いますが、事業再構築補助金の申請方法は、GビズIDプライムによる電子申請のみです。そのため、GビズIDプライムの登録がまだお済でない場合は、まずIDを取得する必要があります。IDの取得には混雑状況にもよりますが3週間程度かかります。

応募後、提出した事業計画書を外部有識者からなる審査委員会が評価し、より優れた事業計画が採択されます。採択となった場合は、受付番号、商号又は名称(法人番号を含む)、事業計画名、認定経営革新等支援機関名などが公表されます。

採択後、事業計画書等に記載した金額はすべて補助金額として認められるとは限りません。補助対象経費の金額がわかる相見積書や設計書などを準備し、改めて交付申請を行って専門家の審査を受けます。審査の結果、補助金額が減額されるケースもあるため注意が必要です。

また、採択後、すぐに補助金が支払われるわけでもありません。補助金を使った事業(補助事業)がすべて完了し、事務局の確定検査を経た後に補助金が支払われます。

したがって、例えば補助金額6,000万円の事業を行う場合には、少なくとも9,000万円以上のつなぎ資金が必要になります(補助率2/3の場合)。補助事業終了後も事業計画に沿った経営が行われているかどうか、年次報告(5年間)をしなければなりません

事業再構築補助金の応募から補助金の支払いまでの解説

事業再構築補助金の申請方法に必要なGビズIDとは?

前述しましたが、応募はGビズIDプライムによる電子申請のみとなっています。GビズIDとは1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる「共通認証システム」です。GビズIDのアカウントには「プライム」「メンバー」「エントリー」の3種類あります。

「メンバー」と「エントリー」は書類審査を必要とせず、手軽に取得できるのに対し、「プライム」は申請書と印鑑証明書を提出しなければなりません。

「事業再構築補助金」の申請は「プライム」のI Dを取得しなければならないため、アカウント作成には一定の期間が必要です。GビズIDのアカウント作成はこちらから

GビズIDとは何かの解説

GビズIDについては以下のブログでも解説していますのであわせてご覧ください。

GビズIDを使いこなして行政サービスへのアクセスを効率化!

注意すべき書類の不備と事例

事業再構築補助金事務局は申請時、書類の不備によって多くの申請が要件を満たしていないと判断され、審査前に不採択となっていると注意喚起をしています。 特に、以下の4つの事例が頻発しているようです。

(1)売上高減少要件に必要な月別売上高を証明する書類が添付されていない。
(2)「認定経営革新等支援機関による確認書」 に記載された法人名等が申請者と異なる。
(3)経済産業省ミラサポplusからの「事業財務情報」が添付されていない。
(4)添付された書類にパスワードがかかっている、あるいはファイルが破損している。

書類の不備で不採択となっては事業計画を立てた苦労も水の泡です。申請は慎重かつ確実に行いましょう。

また、事業再構築補助金の申請には、認定経営革新等支援機関の確認書が必須です。どの認定経営革新等支援機関でもサポートには一定の報酬が必要になりますが、的確なアドバイスを得られるパートナーと出会えれば採択率を上げることができます。なお、弊社は認定経営革新等支援機関に指定されています。

事業再構築補助金の採択率(第5回公募時点)

 応募件数申請要件を満たした件数採択件数採択率
第1回公募22,231件19,239件8,016件36.0%
第2回公募20,800件18,333件9,336件44.8%
第3回公募20,307件18,519件9,021件44.4%
第4回公募19,673件非公表8,810件44.7%
第5回公募21,035件非公表9,707件46.1%


上記が第1回から第5回までの採択率ですが、ご覧の通り事業再構築補助金の採択率は30〜47%の間と非常に狭き門であり、今のところ毎回半数以上が不採択となっているのが実状です

私たちは第1回の公募から、さまざまなお客様の支援をさせていただいておりますが、採択される企業と不採択になる企業の大きなポイントは真剣に事業計画を描けているかどうかです。

「補助金出るらしいからちょっと申請してみようかな…」というような軽い気持ちで作られた事業計画書は、残念ながら採択されませんし、そういった書類は読めば一目でわかります。どういった点に注意すべきか、現状の問題点はどこか、我々が過去お手伝いしてきた中で得た知見を元にサポートさせて頂きます。

以下、弊社で支援させて頂いたお客様の事例をご紹介致します。申請をお考えの方はぜひ一度ご覧ください。

TOМAが事業再構築補助金の採択をサポート! 医療機関(クリニック)での事例を紹介します

 

初回相談は無料ですので、事業再構築補助金の申請をお考えの方はお気軽にお問合せください

監修 TOMAコンサルタンツグループ コンサル部

経営計画の作成支援や組織改革・資金戦略のコンサルティングなどを主に担当。会社・組織の最適化を図り、一つでも多くの100年企業を作るべく支援を行っている。

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