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最近話題のリファラル採用って何?コネ採用との違い、導入で気をつけるべきことは?

記事作成日2021/02/06 最終更新日2022/04/08

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近年、中小企業の中で広がり始めているリファラル採用をご存知でしょうか。リファラル採用とは自社の社風や業務にマッチングする人材を獲得できる採用方法の一つです。

採用活動に取り入れたいけどいまいち内容がつかめない、今回はそんな経営者・人事担当者の方にリファラル採用のイロハを解説したいと思います。

社員の協力で行うリファラル採用

リファラル(referral)には「紹介・推薦」という意味があります。リファラル採用とは、自社で働く社員に自社で能力を発揮できる素養を持つ知人・友人を紹介・推薦してもらう採用方法です。

リファラル採用によって有能な人材が採用できた場合、社員に紹介料としてインセンティブを支払うこともあります。日本では近年注目されるようになりましたが、欧米ではすでに主流となっている採用方法です。
リファラル採用とは何か
では、なぜ近年リファラル採用が注目されているのでしょうか。

理由1.人口減少による人材の不足

日本では少子高齢化が加速する中において、生産年齢人口も減少しています。2019(令和元)年10月1日現在における(総務省統計局)人口推計によると、15歳から64歳までの「生産年齢人口」は7507万2000人。1年前と比較して、37万9000人減少しています。

全人口に占める割合は59.5%となっており、1950年以降で最低となっています。さらに、15歳未満の人口は1521万人とこちらも過去最低となっているため、今後も生産年齢人口は減少の一途を辿ることが予想されます。この状況において、優秀な人材を確保することが年々厳しくなっているという現状があるのです。

理由2.会社の適正に合う人材の採用

・「この人材はきっと優秀だ!」と思って採用しても思った働きをしてくれなかった。
・採用に多大な費用をかけてやっと雇い入れたのに、すぐに辞めてしまった。
・そもそも2、3回の面接で人材の適性を見極めるのは不可能だ。

経営者や人事担当者は、このような経験を一度はしているのではないでしょうか。求職者も同様に、企業のHPや求職サイトの情報だけで本当に自分に合った会社なのかを判断するのは難しいと感じています。

求職サイトや人材エージェント、求人広告を出すだけでもそれなりの経費がかかりますが、出したところで希望の人材が必ず集まるとも言えません。そこで、リファラル採用が注目されているのです。

実際に現場で働いている社員が「この人材ならきっと会社の力になる!」と思った人材を紹介するわけですから、広く募集をかけるよりも確実に自社の社風に合う人材を採用できます。また、求職者側も実際に働いている社員から生の情報を手に入れられるため、入社後のイメージがしやすいというメリットがあります。

リファラル採用が注目される理由
縁故採用、いわゆるコネ採用との大きな違いはこの“適正”です。社員の血縁者や知り合いというだけで採用が決定するコネ採用の場合、自社で働く能力を有しているかどうかが後回しになります。そのため、採用後に戦力にならなかったというケースは少なくありません。

また、経営層や重役のコネで採用された社員の場合、現場では入社後の扱いにも気をつけなければならなくなります。

理由3.ローコストでの採用活動

適正に合う人材を採用できることは、コストの削減にもつながります。厚生労働省が取りまとめた「新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)」によると、高卒就職者の39.2%、大卒就職者の32.0%が3年以内に離職しているという現状があります。

苦労して採用し育てた人材が早期に離職すると、企業にとっては大きな損失です。新たに従業員を採用するためには追加でコストがかかります。リファラル採用によって適正な人材を採用することができれば、離職する可能性は低くなります。

また、離職率が下がれば新たな採用活動を行う必要もなくなるため、余計なコストをかけずに済みます。

ローコストで行う採用活動

以上のように、「人口減少」、「マッチング率の向上」、「コスト削減」といった背景によって、リファラル採用に取り組む企業が増えているのです。

リファラル採用の仕組み
リファラル採用のメリット

では、リファラル採用には、どんなメリットがあるのでしょうか。

メリット1.採用にかかるコストを抑えられる

前項でも記載しましたが、採用活動には一定のコストがかかります。現在、就職市場は売り手市場が続いており、優秀な人材が自社を応募してくれても、他社に取られる可能性はゼロではありません。リファラル採用は社員による紹介なので外部に委託する必要がなく、コストを抑えられます。

紹介してくれた社員にインセンティブを支払っても転職エージェントなどに支払う手数料に比べれば安価です。リファラル採用をメインに取り組んでいる企業では、浮いた採用コストを福利厚生の充実に当てています。職場環境が良くなればなるほど、自社の社員が知人を紹介しやすくなるからです。

メリット2.転職市場にいない人材を採用できる

「まだ転職サイトに登録はしていないけど、転職をしようか迷っている」
「今の会社に不満はないけど、もっと実力を発揮できるフィールドがあれば転職したい」

リファラル採用には、まだ本格的に転職活動に取り組んでいない人材を青田買いできる可能性があります。この場合、転職サイトなどに掲載している他の企業と争うこともありません。

メリット3.自社と相性の良い人材を採用できる

リファラル採用は自社で働く社員がこの人材ならうちの会社でやっていけると判断した上で紹介してくれるので、適正な人材を採用できます。また、リファラル採用は、他の採用方法と比べ定着率が高い傾向があります。自社社員の紹介のため、内情を良く理解した上で入社するからです。

入社前後のギャップが少ないと、こんなはずではなかったというモチベーションが低下するリスクが下がります。転職経験がある人は感じたことがあると思いますが、入社直後は知り合いも少なく心細いものです。転職先に知人・友人がいるというのも求職者としては安心材料となります。

メリット4.採用活動の手間を省ける

大手転職サイトに登録すると、多くの募集が集まります。その中から書類選考を行い、適正試験、1次面接、2次面接とコマを進めるのは相当な時間と手間がかかります。リファラル採用の場合、採用スケジュールを簡略化することが可能です。

メリット5.社員の帰属意識を向上させる

・人に説明できるくらい会社のこと(経営理念など)を知らないといけない
・自分の評価にもなるから下手な人材は紹介できない
・会社の役に立ちたい

リファラル採用は、既存の社員の帰属意識を養うきっかけになります。

リファラル採用のメリット

リファラル採用のデメリット

一見すると、メリットだらけのように思えますが、リファラル採用にはデメリットもあります。

デメリット1.似たような人材が集まる

類は友を呼ぶという言葉があるように、社員の紹介で採用活動を行うと、似たような性格や考え方の人材が集まりやすくなります。これをメリットと捉えることもできますが、新しい発想や視点が生まれにくくなるのも事実です。

また、社内に混乱を招く派閥ができてしまう可能性もゼロではありません。いろいろな人材を集めて会社を発展させたい場合、採用活動をリファラル採用だけに絞るのは得策ではないでしょう。

デメリット2.社員教育が必要になる

ただ単に知り合いを会社に紹介してくださいと社員に通達しても、リファラル採用は機能しません。
また、仲の良い友達を紹介されても意味がありません。

リクルーターとしての基礎知識から、自社で活躍できる人材の特徴、現在求めている人材について社員に伝え、社員がそれを理解する必要があります。

デメリット3.紹介された人材が不採用になる可能性がある

紹介された社員を100%採用できるわけではありません。面接を行った上で不採用を通達しなければならないケースも当然出てきます。その場合、紹介してくれた社員と入社を希望した人材の関係が悪くなる可能性があります。

リファラル採用では採用が確約されるわけではありませんが、あまり不採用が続くと紹介をしようという社員がいなくなってしまうかもしれません。

デメリット4.社員の負担が増える

リファラル採用を強く推し進めすぎると、社員の負担は当然、増加します。通常業務をこなしながらでも可能な仕組みを構築することが大切です。

リファラル採用のデメリット

以上のように、リファラル採用にはメリットもあれば、注意すべきデメリットも存在します。また、世の中にあるすべての企業がリファラル採用に適しているわけではありません。採用コストを抑えて採用活動を行いたい企業や、ミスマッチによる離職率が高い企業では、リファラル採用が向いています。

反対に、離職率が低く社員の満足度が高い企業にもおすすめです。愛社精神の強い社員は、自社にとってポジティブに動いてくれるからです。

これからリファラル採用に真剣に取り組もうと思っている経営者や人事担当者は、メリット・デメリットを理解した上で取り組むようにしましょう。

リファラル採用を活用できる会社とは?

リファラル採用に向いている企業は?

では、リファラル採用を自社に取り入れる上で、一番大切なことはなんでしょうか?答えは採用基準の明文化です。採用を行なっている人事担当者や経営層であれば、「どんな人材を採用したいのか?」という採用基準があると思います。

明確な基準を設けていない企業でも「こんな人が自社で力を発揮してくれる」というイメージはあるはずです。知人を自社に紹介するというリファラル採用では、このぼんやりしたイメージを明文化する必要があります。

そうでなければ、自社の社員がどういう能力を持った人材に声をかければ良いのかわからないからです。

そして、リファラル採用をより効果的に運用する鍵となるのが経営理念の浸透です。

例えば、『お客様第一主義』という経営理念が社内に浸透していれば、

彼はお客様の立場で物事を考えられる営業マンだ
彼女はお客様の笑顔を仕事のモチベーションにしている

など、経営理念に合う人材を探すことができます。
リファラル採用の導入は、全社員を対象に一斉に始めるのではなく、経営理念が浸透した帰属意識の高いメンバーを中心に、チーム単位で始めるのが基本です。実績とノウハウがたまってきたら、徐々にメンバーを増やしていきます。

帰属意識が高いメンバーが必要

経営理念の浸透にクレド導入

経営理念の浸透こそがリファラル採用の成否に大きな影響を及ぼすことがお分かりいただけたと思います。
しかし、多くの企業において経営理念はオフィスや休憩室の壁に飾ってあるだけの「お飾り」になっているのが現状です。会社の根幹にある思想であり、会社の成長に大きく関与する経営理念、あなたの会社ではどの程度浸透していますか?

TOMAでは、経営理念の浸透にクレドの導入をすすめています。

クレドとは、「信条」や「約束」といった意味を持つラテン語です。
ビジネスにおいては業務を遂行する中で、社員一人ひとりが判断を下す上での行動指針となる内容をまとめたカード型のツールを指します。

クレドの概念はアメリカが発祥とされていますが、日本では企業の不祥事が頻発し、コンプライアンス遵守の考えが根付きはじめた2000年頃から注目されるようになりました。クレドには、主に以下の内容を言語化したものが記載されます。

●ミッション(使命)
自社がなぜ存在し、どんなことを達成させたいのか?
事業を行う中で最も優先されるべき事項は何か?

●ビジョン(目標)
近い将来の理想像。
ミッションを実現させるために取り組むべきこと。
自社のありたい姿、またはあるべき姿。

●バリュー(価値観)
一人ひとりが自社で働く中で大切にすべき想い。
選択を迫られた時の行動指針。

クレドとは何かクレドを導入することによりマニュアルに頼らない「人材の育成」や「サービスレベルの向上」、社員のベクトルを揃える「社内風土の醸成」、ブランドイメージの向上などさまざまなメリットがあります。

※クレドについてもっと知りたい方はこちら

もちろん、リファラル採用をはじめとする採用活動全般にも有効です。

まず、自社サイトの採用ページや募集要項にクレドを掲げることによって、自社が何を目指しており、どんな人材を必要としているかを事前に求職者に伝えることができます。社員はクレドを常に携帯しているため、リファラル採用においては知人を紹介する際に役立ちます。このようにクレドを作成することで、企業と求職者のミスマッチを防ぐことが可能になるのです。

実際にTOMAの提案によってクレドを導入したある宝飾店では、クレドを作成後、離職率が有意に下がっただけでなく、クレドを説明しながら採用面接を行なった社員は一人も退職していないという実績を上げています。それまでこの宝飾店では、離職率の高さが問題で、年間100〜1,000万円の退職金、200〜300万円の採用経費がかかっていました。

クレドによって従業員の仕事に対するやりがいを育み、売上が伸びるだけでなく、退職金や採用経費といったコストを大幅に削減することができた事例です。

宝飾店でのケース

TOMAではクレドの導入に関する問い合わせも随時受け付けています。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。