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36協定届の新様式の変更内容と注意点

記事作成日2021/07/13 最終更新日2021/07/13

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この記事のPOINT

1. 36協定届の押印・署名が廃止になりました。
2. 協定当事者に関するチェックボックスが新設されました。
3. 協定当事者の選任を厳格に行う必要があります。

36協定とは

労働基準法では、従業員に法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて労働させることや法定休日に労働させることを禁止しています。この原則を超えて労働させるには、36協定の締結、届出が必要となります。36協定を締結、届出をしておらず、従業員に労働させていた場合、労働基準法違反として是正の対象となり、罰則が科される可能性もありますので届出を忘れないようにしましょう。

新様式の押さえておきたいポイント

政府による行政手続き押印原則の見直しの流れを受け、36協定の様式が2021年4月から変更となりました。

■様式の変更点

1.押印・署名の廃止
2.チェックボックスの新設

押印・署名は廃止となっていますが、協定の締結・届出方法によっては、従前どおり押印・署名が必要になりますので注意しましょう。

■押印又は署名が不要な場合

労使協定書を作成・押印→協定書の内容を36協定届に転記して作成→届出をする場合

■押印又は署名が必要な場合

労使協定書を兼ねた36協定届を作成・押印→届出をする場合

また、新設されたチェックボックスは2か所あり、従業員代表の適格性について、下記の要件を確認するものとなっています。

1.管理監督者でないこと
2.36協定を締結する者を選出することを明らかにした上で、投票・挙手等の方法で選出すること
3.使用者の意向にもとづいて選出された者でないこと

従業員代表については、特段手続きを踏むことなく同一人物がなり続けていたり、投票・挙手等の意思表示が不明瞭であるなど、適切な選出方法が取られていない場合、36協定を無効とした裁判例もあります。この機会に改めて自社の運用状況を見直しましょう。TOMAでは、36協定作成・提出代行等のご依頼を承っております。お気軽にご相談ください。