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「LGBT」に関するハラスメント防止措置は会社の義務

記事作成日2017/08/08 最終更新日2021/01/13

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LGBTとは

LGBTとは、L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシュアル、T=トランスジェンダーの頭文字をとった表現で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)のことを指します。

LGBTに関するハラスメントの実態

2016年に日本労働組合連合会が発表した調査(「LGBTに関する職場の意識調査」)によると、LGBTが身近にいると答えた人の約6割が、LGBT関連のハラスメントを受けたり見聞きしたりしているという結果になっています。そのハラスメントの原因としては、個人の「差別や偏見」「性別規範意識」「職場の無理解な雰囲気」「上司のハラスメントに対する意識の低さ」等とされています。

LGBTの方は職場にいられなくなる恐怖等から、カミングアウトすることができず、誰にも相談できない状況が続くことで、職場のハラスメントが潜在化する可能性があります。

 LGBTは会社のセクハラ防止措置義務の対象のひとつです

男女雇用機会均等法では、職場におけるセクシュアルハラスメント(以下、セクハラ)について、会社に防止措置を講じることを義務付けています。この防止措置の対象となるセクハラは、被害を受ける者の性自認や性的指向にかかわらず、「性的な言動」であれば該当。また、同性に対するものを含みます。したがって、会社はLGBTに関しても下記の措置を行う義務があります。

1.会社の方針等の明確化および周知・啓発
2.窓口の設置等の相談(苦情含む)体制の整備
3.事案にかかる事後の迅速かつ適切な対応
4.相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること
5.相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること

社内環境を整えましょう

LGBTへの対応は、マイノリティのための対応と捉えられがちです。しかし、LGBTを含めたハラスメント防止策を適切に講じなければ法違反となるだけでなく、大きな労務トラブルに発展する恐れがあり注意が必要です。

なお、ハラスメントのない社内環境の整備には、ハラスメント防止規程や研修等が効果的と言われています。TOMAでも、規程の作成やハラスメント防止研修等を行っています。ぜひご相談ください。