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第7次医療法改正 MS法人との取引について

記事作成日2016/12/13 最終更新日2016/12/13

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第7次医療法改正において、一定規模以上の医療法人は、その役員と特殊の関係がある事業者との取引状況に関する報告書を作成し、都道府県知事に届出をすることになります。これは、医療法人とMS(メディカルサービス)法人を含む関係当事者との関係の透明化、適正性が重要なため、毎年度、医療法人とMS法人との関係を都道府県知事に報告させるものです。

今回は、報告の対象となるMS法人との取引の内容について説明いたします。

MS法人とは

MS法人とは、医療法人の業務が医療法により限定されているため、医療法人と密接な関係をもって、医薬品や医療機器など医療機関で使用される物品の共同購入や、病医院内の売店の管理などの業務を行う株式会社などをいいます。

MS法人との取引の内容について

MS法人の役員や株主は院長(理事長)の親族とすることが多いため、医療法人と密接な関係を有するMS法人との取引内容の透明化が求められます。

例えば、MS法人が物品等を購入し、病医院に販売する取引では下記の場合に問題点があります。

  • MS法人から病院への販売価格が、市場価格等から見て不当に高い場合
  • 業務委託契約を締結しているもののその業務内容が曖昧な場合

これは、医療法第54条に定める剰余金の配当の禁止にあたります。不当に高い価格にして販売することは、結果的に医療法人の利益をMS法人に移していることを意味するからです。

取引価格が適正であることを証明するため、どのように価格が設定されたか、賃貸借契約書、業務委託契約書、請求書や領収書など、証憑書類を残しておくことが重要となります。

TOMAでは、病院・医院経営に特化した部署を設けて、サポートをしています。第7次医療法改正についての疑問がございましたら、お気軽にご相談ください。