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確定申告前の年末にできる節税対策

記事作成日2019/12/09 最終更新日2019/12/09

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12月に入り今年も残りわずか。個人クリニックの先生は決算まで1ヶ月をきりましたが、本年分の事業の収支はいかがでしょうか。予想以上に利益が出そうな場合には、うれしさに顔がほころびつつも納税額の増加が気になるところかと思います。そこで、今回は今からでも間に合う節税策を紹介いたします。

 

◆所得税の計算方法

所得税の計算は、まず収入から経費を引き事業の儲け「所得金額」を計算します。次にその「所得金額」から個人的事情を考慮する「所得控除額」を差し引き、税率を乗じることで所得税を計算します。
今日は「所得金額」から引くことができる所得控除の中から節税策をご紹介します。この「所得控除額」を増やすことで、「増えた控除額×税率」がおよその節税額となります。

 

◆小規模企業共済等の掛け金お支払い

小規模企業共済は経営者の退職金制度と言われていて、その年に支払った掛け金の全額が控除できます。さらに将来共済金として一括で受け取る場合には税務上有利な退職所得として受け取れるという支払時と入金時のダブルで節税効果のある制度になります。
掛け金は月額1,000円~70,000円。1年間で最高840,000円を控除することができます。適用される所得税率が45%の場合、住民税約10%を加えた55%の462,000円が節税になります。掛け金の支払い方を年払いとすることで決算直前でも1年分を控除することができます。
◎ポイント・・・院長先生だけでなく共同経営者の配偶者、お子様も加入できます。
◎注意点・・・年内に現金で支払う必要があります。
       口座振替だと年内入金に間に合いません。振込みにてお支払いください。

 

◆ふるさと納税 

近年、マスコミでも多く取り上げられており、既にご利用中の方も多いと思います「ふるさと納税」です。
この制度は、個人が自治体へ寄付をした場合に、寄付の謝礼として寄付額の30%以下の名産品を貰えること。さらに寄付した金額のうち2,000円を超える部分を所得税、住民税から控除出来るというものになります。
この制度の注意点は控除を受けられる寄付額には上限があり、その上限額の計算は寄付した年の所得金額によることです。つまり、寄付は年内中に行いますが、上限額は年があけ、所得が確定しないと正確に計算ができないことです。上限を超えた寄付は本来の意味での寄付になり、所得税、住民税から控除できません。

また、今年の6月から国は返礼品競争に歯止めをかけるため、新制度を創設しました。この新制度では実質、認可制となり寄付する自治体が総務省に指定されているかどうかを確認する必要があります。
◎注意点・・・指定を受けていない自治体へ寄付した場合には税額控除を受けることができません

 

◆災害による損失

今年は東日本で台風、大雨被害が相次ぎました。被害を受けられた方々には心からお見舞い申し上げます。
災害により自宅や家財に被害を受けた場合には損害額、後片付け費用などを基に所得控除を受けられる「雑損控除」と所得税の軽減、免除が受けられる「災害減免法」といった制度がございます。
併用はできずどちらか一方の選択制になります。なお、災害減免法は被害を受けた年分の所得金額が1,000万円以下の方”に限ります。

手続きには罹災証明、被災証明といった自治体が発行する証明書が必要になります。しかし、復旧などに人手を取られ現地調査や証明書の発行のような事務手続きは時間がかかるようです。
◎注意点・・・発行までに1ヶ月かかったケースもみられます。自治体への申請は早めに行いましょう。

 

所得控除の中から、まだ間に合う節税策をご紹介しましたが手続きが遅れ、制度を利用できなかったというようなことがないように、検討後はお早めにご対応ください。その他節税方法についてご相談などありましたらお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

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